# [[こーしんりょー]]の[[エロゲMEME]]解説
![[ネタバレ#^warning]]
## はじめに
[[男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり|オタクもすなるエロゲMEMEといふものを、香辛料もしてみむとてすなるなり]]。
とはいうものの、日本で初期に流行っていた[[エロゲMEME]]についてはまるでやる気になれなかった。
元となるフォーマットがテキストが項目欄からはみ出しているなどデザイン的にあまりに酷く、さらにもともと海外で流通していたものを雑に翻訳しているため誤解が生じそうな項目もあったからだ。だからこのフォーマットに対しては過剰にdisったりしていた。
>[!cite]
> 
>
> 過剰なdisの一例。
しかし、[[ErogameScape -エロゲー批評空間-]]がこの流れに乗じてほぼ同等のフォーマットのものをサイト上で比較的手軽に作れる機能を実装。項目も整備されたため、そろそろいっちょ噛みしてみようと相成った。
>[!check]- エロゲMEMEの歴史調査
> ![[エロゲMEME#海外のバージョン]]
> ![[エロゲMEME#日本で流行した最初期のバージョン]]
## [[エロゲMEME]]と、その言い訳
そんなわけで、2025年2月23日時点に[[ErogameScape -エロゲー批評空間-|エロゲー批評空間]]にて掲載している私の[[エロゲMEME]]を画像化した。
>[!cite]
> ![[エロゲMEME_250223.webp]]
>
> 引用:[KO_SHIN_RYOさんのサマリー | ErogameScape -エロゲー批評空間-](https://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/user_infomation.php?user=KO_SHIN_RYO)
「[[エロゲMEME]]」という命名に則し、すべてアダルトゲームで埋めている。
以下、各項目について解説という名の言い訳を述べる。
### 一番好きな作品:[[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]]
一番好きなんだ文句あるかバカヤロー。
### ベストアクション:[[🎮️『エヴォリミット』]]
最初に思い浮かんだのは[[🎮️『凍京NECRO』]]だった。しかし、これを選ぶと4つの項目で[[👤下倉バイオ]]さんが主要スタッフとして関わられた作品が入ってしまいバランスが悪いと考え、再検討。
続いて思い浮かんだのが[[🎮️『BALDR FORCE EXE』]]か[[🎮️『エヴォリミット』]]だった。
ここで、「アクション」という文言が「アクションゲーム」という文脈で用いられているのか、「アクション映画」という文脈で用いられているのかで解釈が分かれるところだろう。[[🎮️『BALDR FORCE EXE』]]なら前者、[[🎮️『エヴォリミット』]]なら後者の文脈に沿っている。
大本が[[ビジュアルノベル]]を題材にしているため、ここは後者の文脈のほうがオリジナルの意図に近いだろうと考え、[[🎮️『エヴォリミット』]]を選んだ。
余談。
私は映画におけるすべてのショットは、派手な動作を伴わない会話や表情などすべて含めて「アクション」と呼んでいる。
従って、物理的な運動をともなうショットが多い作品を指して用いられる「アクション映画」というジャンル区分表現についてはグチグチ言いたい気持ちもあるが、脱線過ぎるためここでは省略する。
### 一番絵が好き:[[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]]
一番好きなんだ文句あるかバカヤロー。
### ベストシナリオ:[[🎮️『スマガ』]]
最初に思い浮かんだのは[[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]]だった。しかし、全体のバランスを考慮して再検討。
となると、[[🎮️『らくえん 〜あいかわらずなぼく。の場合~』]]あたりも思い浮かぶがこちらは他に入れられる枠があるため、ここは[[🎮️『スマガ』]]を選択。
死に戻り系[[タイムループ]]というギミックを用いてできること全部盛りな内容で、高刺激・高エンタメな内容でありながら、最後には私の弱点である「物語論」で落としてみせる内容にノックアウトされた。
### 一番印象残った:[[🎮️『君と彼女と彼女の恋。』]]
最初に思い浮かんだのは[[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]]だった。しかし、全体のバランスを考慮して再検討。
するとここは[[🎮️『君と彼女と彼女の恋。』]]になる。
あの最後の選択肢は、これまでのゲーム人生で最大級のインパクトだった。
また6月末の発売ということもあり、「ハッピーバースデートゥーユー」のシーンをリアル誕生日にプレイしてしまった体験はラッキー(?)すぎて忘れがたい。
### 一番好きなルート:イフリナトゥルー([[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]])
一番好きなんだ文句あるかバカヤロー。
### 恋愛描写が一番好き:[[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]]
一番好きなんだ文句あるかバカヤロー。
と、済ませたいところだがここは少し語らせてほしい。
[[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]]のヒロインである[[炎道イフリナ]]に一目惚れした若き日の[[こーしんりょー]]は本作を購入した。
しかし[[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]]は終盤、[[炎道イフリナ]]の見た目が変わってしまう。一目惚れしたフィギュア姿から、彼女の本来の姿へと変わってしまうのだ。
そうなってしまったら、一目惚れした者はいったいどうなってしまうのだろう? そんな恋愛描写を体験できた唯一無二のエロゲーが本作である。そう、その恋愛描写とは、私自身の物語なのだ。
### ベストコメディ:[[🎮️『らくえん 〜あいかわらずなぼく。の場合~』]]
ダメ人間を見て笑うということは自分を笑うことと等しく、その行為には痛みを伴う。
ダメのダメダメで痛くて痛くてたまらないコメディが[[🎮️『らくえん 〜あいかわらずなぼく。の場合~』]]だ。安全圏から一方的に笑わせてくれず、積極的にこちらを巻き込んでくる鋭い笑いに溢れた今もまったく古びない一作である。
### 周りでは評価が低いけど好き:[[🎮️『クドわふたー』]]
正直なんでも良かったんだけれど、[[Key]]作品がひとつも入らないことに気づきせっかくなので[[🎮️『クドわふたー』]]を選択。
[[🎮️『リトルバスターズ!』]]のファンディスクとして期待されたものでなかった、という評価がされている印象である。個人的には、二部に別れた奇っ怪な構成、そして「空にいる女性を救い出す」というテーマ性から、寧ろ[[🎮️『AIR』]]のやり直し作として好意的に評価している。
まあ、それをなぜ[[🎮️『クドわふたー』]]でやったのかというツッコミどころはあるが……。
### 過大評価されていると思う:[[🎮️『この青空に約束を―』]]
好きなところもある、嫌いなところもある。そんなゲームだ。
全体的に極めて良くできているのだが、良く出来すぎていて可愛げがない、という感想である。
同じく[[👤丸戸史明]]さんがシナリオを務めたゲームでは、別ブランドになるが[[🎮️『世界でいちばんNGな恋』]]などは教科書的に良くできたゲームで好きな作品だ。こちらは可愛げもある。
この「可愛げ」なるニュアンスがどこから生じてくるのか。
私はよく[[🎮️『この青空に約束を―』]]のとあるエンディングの演出を引き合いに出して、「うまく出来すぎている」が故の白けがあると表現する。
フィクションが必然的に内包する企みや計算が、あまりに完璧に表現できているが故に表面にむき出しとなり、その作り物性がダイレクトに伝わってくる感じに白けたのだと考える。
「素晴らし過ぎるが故に好きになれない」ということもあるということを学習した作品であった。
### 自分にはまるで刺さらなかった:[[🎮️『マブラヴ』]]
EXTRA編で「王道」なるものを戯けてみせるノリが苦手。
UNLIMITED編でその「王道」を、「超」の名の下に裏切ってみせるドヤ顔感も苦手。
極めて高い評価を受ける[[🎮️『マブラヴ オルタネイティヴ』]]をスルーし続けている理由は、[[🎮️『マブラヴ』]]がまるで刺さらなかったからである。
### BGMが一番好き:[[🎮️『月光のカルネヴァーレ』]]
[[🎮️『AIR』]]と迷ったが、一番好きなエロゲーのBGMを挙げよと言われたら[[🎮️『月光のカルネヴァーレ』]]の[[🎵Granfia]]を挙げるようにしているので、こちらを選出。
### 雰囲気が一番好き:[[🎮️『勝 あしたの雪之丞2』]]
最初に思い浮かんだのは[[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]]だった。しかし、全体のバランスを考えて再検討。
そもそもお前にとっての「雰囲気(Atmosphere)」とはナンゾやというお話である。
「雰囲気」という文字列が醸し出す、すべてを曖昧にしてしまおうという雰囲気にごまかされてはならない。
そんなわけで、ここでの「雰囲気」とは、「このままずっとプレイしていたいと思わせる力、終わらないで欲しさ」と定義する。
エンディングを迎えることなくこの登場人物たちを見続けていたいという欲望を強く喚起させた作品。それが[[🎮️『勝 あしたの雪之丞2』]]だ。
本作のあるルートでは、ヒロインが抱えた事情が一定の解決を迎えたあと、つまりお話としての盛り上げどころがすべて終わったあとに、長々とした学園祭シーンがはじまる。普通の「物語」であれば、それは蛇足と揶揄されるものかもしれない。
しかし、その物語に生きる彼らの姿をもっと眺めていたいという作り手とプレイヤーの共犯関係でもって、この蛇足は素晴らしい効果を上げていたと私は評価したい。
### 一番好きなヒロイン:[[炎道イフリナ]]([[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]])
一番好きなんだ文句あるかバカヤロー。
### 一番好きな主人公:ゆっきー([[🎮️『円交少女 ~陸上部ゆっきーの場合~』]])
河原木悠希ではなく、あえて援交ネームである「ゆっきー」で。
ゆっきーは、それまで励んでいた陸上を怪我で引退し、ぽっかりと心に穴が空いてしまった。
その後旧友であるパコとの再開から、あれよあれよと援助交際に手を出してしまうことに。それ自体は決して褒められたものではないが、穴を埋める方法としてそこに価値を見出したゆっきーは、ある意味でプレイヤーの欲望すらも裏切る形でコントロール不能な存在となっていく。
エロゲーにおける主人公はプレイヤーの代理人。そのように強く考える私にとって、ゆっきーや[[🎮️『School Days』]]の[[伊藤誠]]のような、プレイヤーに制御されまいと振る舞う強烈な主人公は逆説的に好ましく見える、というお話である。
### UIが快適:[[🎮️『Quartett!』]]
真の快適さとは、それを意識すらさせないことである。
[[🎮️『Quartett!』]]はゲームをプレイしはじめてすぐに、これはオートモードでプレイすべき作品だと気づく。
そんなわけでほぼ全編オートモードでプレイした本作のUIについて私はほとんど意識したことがなく、すなわち本作は真に快適なUIを備えたエロゲーであると言える。
### 一番失望した:[[🎮️『珊海王の円環』]]
一番失望したんだ文句あるかバカヤロー。
ちなみに私が唯一プレイした[[エウシュリー]]のゲームである。どうしてよりによって……。
### 一番最初:[[🎮️『はじめてのおるすばん』]]
これは曖昧さの入り込む余地がない、単なる事実である。
### 最高ではないけど面白い:[[🎮️『夏の色のノスタルジア』]]
少しだけ盛っている。「面白くはないけど好き」、というニュアンス。
面白さと好き嫌いとはまったく別軸であるということを深く学んだエロゲーである。
### 話題にならないけど好きだぞ:[[🎮️『HOTEL.』]]
本当に話題にならないけど俺様は好きだぞ。
### 好きなシリーズ:「【エッチ】を覚える大人の性教育レッスン!!」シリーズ
最初に思い浮かんだのは[[🎮️『ふぃぎゅ@メイト』]]シリーズだった。しかし、全体のバランスを考えて再検討。
そこで、どこかに[[🎮️『おしえて!唯子先生【エッチ】を覚える大人の性教育レッスン!!』]]か、または[[寺川唯子]]先生を差し込みたいと思っていたのだが、それに相応しい枠がなかったことに気づく。
なので無理やりシリーズものとしてここにぶちこんだ次第。
### ベスト泣きor鬱ゲー:[[🎮️『僕が天使になった理由 LOVE SONG OF THE ANGELS. 』]]
[[🎮️『キラ☆キラ』]]と迷ったが、ここは[[🎮️『僕が天使になった理由 LOVE SONG OF THE ANGELS. 』]]で。
鬱病に苦しんだ経験のある人間として「鬱ゲー」という軽い言葉にはひとつ言ってやりたい気持ちもあるが、ここはぐっと抑えて。
とにかくふたつある奈留子エンドのことが、どちらも頭から離れないのである。
### これからやるのが楽しみ:[[🎮️『CROSS†CHANNEL』]]
なんだか20年以上前から言っているような気がする。
### 趣味じゃないけど好き:[[🎮️『ななついろ★ドロップス』]]
雑食なので「趣味じゃない」というジャンルはほとんどないという自己認識だけど、まあちょっと毛色が違う路線で好きなものをひとつ挙げるボーナス枠ということで。
## おわりに
以上、私が全体のバランスについて繊細に気を使いながら、この[[エロゲMEME]]を作成したことが伝わっていれば幸いである。