# 2024-12-29 [[🎞️『ブラックベリー』]]を観る [[Netflix]]で鑑賞。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://assets.nflxext.com/us/ffe/siteui/common/icons/nficon2023.ico" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">www.netflix.com</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <div> <p class="link-card-title">ブラックベリー | Netflix</p> </div> <div class="link-card-description"> 瞬く間に成功を収めるも、壊滅的に崩壊した企業。世界初のスマートフォンを生み出した、大胆な発明家と野心あふれる企業家たちの興亡を描いた伝記映画。 </div> </div> <img src="https://occ-0-988-993.1.nflxso.net/dnm/api/v6/E8vDc_W8CLv7-yMQu8KMEC7Rrr8/AAAABdGY4uXoUCiWi7BizbD2ELpyF58GIQ0E_t69uh3urbD9NHhDhbNxgteDseyszaA69Nn2blo7t_oGy4xBP5GB1DCGDHRmgtuzjMnv.jpg?r=e48" class="link-card-image"/> </div> <a href="https://www.netflix.com/title/81725542"></a> </div> 本作が話題になったのちょうど一年前だった。当時から興味はあったが後回しにしてしまった。年末に積み残していた宿題を消化するように鑑賞。 [[BlackBerry]]、実際に見たことすらないかも。少なくとも覚えはない。 [[iPhone]]が登場するまでの日本国内の携帯電話市場は国産の[[ガラパゴス・ケータイ|ガラケー]]が支配的だった。[[BlackBerry]]に代表される海外製の携帯電話が入り込む隙はほとんどなかったのではないだろうか。 はじめはオタクたちの技術者集団だったブラックベリー社(旧リサーチ・イン・モーション社)。共同[[CEO]]として[[ジム・バルシリー]]を迎え入れたことで一気に成功への道へとひた走ることになるのだが、それと並行して始めあったはずのギークな風土は次第に失われていく。 映画序盤でオタクたちが楽しんでいたゲームとはフィールドが異なる、資本主義のマネーゲームに呑み込まれ、最後にはエンジニアとしてのこだわり(主義)すらも投げ出してしまう姿は物悲しい。その喪失をノイズ音を用いた音の演出で表現するのも巧みだ。 企業(集団)としての社会的成功のために個が犠牲になるという構造はありきたりではあるが、身に覚えもある。「現場の苦労と、それを何も分かっていない経営陣」という構図として見ることもできる。しかしジムが[[アイスホッケー]]の熱心なファンである、つまり彼もまた別種のオタクであるという一面を見せることで、そのような単純化からも逃れられているようにも思う。 誰もが自分の「好き」を追求することに人生の時間を使いたい。だけど資本主義は、我々に経済成長のために時間を費やすことを強いてくる。きっとこのふたつの時間が合致したときに幸福なビジネスパーソンになれるのだろうが、ことはそう簡単ではない。 オタクとしてはなかなか苦い、敗者のお仕事ムービーであった。 映像的には要所要所で人物の顔にクローズアップするカメラワークが印象的だった。ドキュメンタリーのように見える手法で、実話ベースであることを強調する狙いか。