# 2025-01-09 [[🎮️『鏖殺ノ乙女.』]]レビューのネタバレあり編集後記 ![[レーティング#^r-18]] ![[ネタバレ#^warning]] [[🎮『鏖殺ノ乙女.』ネタバレなしレビュー]]を公開した。まずは読んでいただきたい。 [[美少女ゲーム]]のレビューは[前ブログ](https://spisignal.jp/)から継続している趣味であり、それは[[Obsidian Publish]]でも引き続き書いていくつもりだ。 しかし、せっかく公開環境を変えたので、いくつか形式に変更を加えた。 このノートでは、前半に今後のレビューの方針について簡単に説明し、後半に今回のレビュー内容についてプレイ済みの方向けに裏話や小ネタを語る。 ## ゲームレビューを書くにあたって ### ページタイトルについて タイトルに「ネタバレなし」と付けた。 想定される主な流入元はSNSである以上一見さんが多いため、ページタイトルに重要な情報として付ける必要があると考えた。 前ブログで「レビュー」というときは「ネタバレなし」という暗黙のルールを設けていた。そして、ネタバレに言及する記事では「ネタバレあり」と付けていた。 しかし、[[Obsidian Publish]]ではより細かく文章公開をしていくことが考えられるため、「ネタバレあり」だけでなく「ネタバレなし」も明示したほうがよかろうと考えた。 また、「レビュー」という言葉を継続して使うかも数秒ほど考えた。 近年、「レビュー」や「批評」といった言葉が以前よりも忌み嫌われるようになった印象があるからだ。「感想」あたりが丸いとも思うが、自分の書くものを読み直してみるとどう考えてもこれは(私が思う)「感想」とは言えない。だから引き続き「レビュー」を名乗ることとした。 ### 分かりやすい数値をなくした ![[『僕の好きな人の好きな人は、女装した僕でした。』レビュー.webp]] 上の画像は前ブログで最後に公開した[『僕の好きな人の好きな人は、女装した僕でした。』レビュー](https://spisignal.jp/2024/10/07/review_shitaboku/)での冒頭に掲載している作品データだ。 今回、レビューから指標的な数値をなくそうと考えた。具体的には**点数**と**項目別評価**だ。 もともとこれらの数値の意図は、読者に長文を読んで頂くまえに傾向を示すことだった。 - 点数:レビューで褒めるのか・貶すのかをあらかじめ宣言する - 項目別評価:作品の傾向を示し、レビュー中で触れる良い点・悪い点をあらかじめ宣言する このような導入があれば読者も分かりやすいだろう。書籍のあらすじのようなものだ。 文章書きとして、読者にストレスを与えないことは絶対正義である。だからこの手の読みやすさ・分かりやすさを向上する工夫は正しいことであると考えている。 しかし、この==分かりやすさが次第に煩わしくなってきた==。 これは私のレビュースタイル、つまり「どのような[[美少女ゲーム]]語りを面白いと考えるか」が変わってきたからことに由来する。この点は別のノートで深堀りしようと思うが、私のエロゲー語りは少しずつ複雑になってきた。 すると、点数や項目別評価といった「分かりやすい数値」では、「私が本当に語りたいこと」を取りこぼしてしまうと感じるケースが増えた。 長文を読むのは骨が折れるので、これらの数値だけをお持ち帰りする読者もいるだろう。そして私は、==数値だけを持ち帰られるくらいならば、そもそもページビューに加算されないほうがましだ==と考えるようなった。 そんなわけで今回、分かりやすい数値をなくした。 レビューを書く場所を変えなかったらイヤダイヤダと思いながらもズルズルと引きずっていたかもしれない。それだけ「過去の遺産がある」という状況は人の動きを鈍らせる。[[現状維持バイアス]]というやつだ。 ## [[🎮️『鏖殺ノ乙女.』]]という語りづらかったゲーム ここからは[[🎮️『鏖殺ノ乙女.』]]について軽微なネタバレを含めつつ裏話。 プレイ済みの方には同意いただけるかと思うが、[[🎮️『鏖殺ノ乙女.』]]はネタバレなしで批評を書くのが難しいゲームだ。 まず、章立て構成であることをレビュー中で開示するかどうかで迷うところであった。結果として伏せることとした。 そのことがはじめて分かる第一章から第二章へのブリッジ、そこから世界の見え方ががらりと変わっていくところが、本作が宣伝時点で伏せている真に面白いところだからだ。 この判断をした時点で、作品冒頭の四分の一以降についてはぼかして語らざるをえない。そのうえで、本作が力を入れているところを抽出する必要があった。 そこで「[[バトルロイヤル]]」という言葉をレビューの中心に置くことで全体の傾向を示し、そこから「面白がりどころ」を紹介する方針で書いた。本作のシナリオの骨格が[[バトルロイヤル|バトロワ]]であることは第一章の時点で分かることだ。 作中では直接言及されていないと思うが、制作陣も[[バトルロイヤル|バトロワ]]を意識してシナリオを組んでいた可能性は高い。登場人物のひとりであるユダはある場面で「安全地帯」を「アンチ」と略して言う。これは縦シューやバトロワFPSで使われる用語である。ゲーム好きな彼らしいセリフであるが、私はこれを目配せであると読んだ。 実は、[[バトルロイヤル|バトロワ]]つながりで小ネタを仕込んでいる。 レビューの冒頭で次のように書いた。 ![[🎮『鏖殺ノ乙女.』ネタバレなしレビュー#^Catchphrase]] 元ネタは[[バトルロイヤル|バトロワ]]ゲーの先駆的作品である[[🎮️『PUBG BATTLEGROUNDS』]]でゲームに勝利した際に表示される有名な文言だ。「**勝った!勝った!夕飯はドン勝だ!!** 」の「[[ドン勝]]」部分をトワの好物である「親子丼」に変えている。すると、原文である「CHICKEN DINNER」と文意が一致したのである。正直この気付きにはテンションが上った。 つまり、トワの親子丼好き設定の元ネタは[[🎮️『PUBG BATTLEGROUNDS』]]! とイキがってみせたいところであるが、これは自分でも陰謀論レベルだなあと感じたのでここにひっそりと書き残しておく。 あ、あともうひとつ。ノート中に一箇所だけ『鏖殺ノ乙女』とピリオドを付けずに記載している。ここもプレイした人がニヤリとしてくれればいいなと。