# 2025-02-02 [[🎞️『雪の花 -ともに在りて-』]]を観る
## 感想
劇場で鑑賞。

### 二日続けて時代劇
ちょうど昨日観た現代的なアクション時代劇であった[[🎞️『室町無頼』]]から一転、こちらは硬派な時代劇だ。
<ruby>疱瘡<rt>ほうそう</rt></ruby>([[天然痘]])が蔓延する江戸時代の日本で、その予防法である種痘(予防接種)を広めることに尽力した笠原良作([[松坂桃李]])が主人公だ。
### 天然痘とCOVID-19
漢方医だった良策は疱瘡に何もできない自らの無力感のなか、蘭方医学と出逢う。そして修行の末に種痘に辿り着くのだが、大変なのはそこからだ。
種痘の実施には「種痘の苗」が必要。しかし日本に苗はなく、鎖国中のため海外から取り寄せることもできない。そして仮に取り寄せることができたとしても……と、次々と難題が降りかかる。しかしそれでも働きかけ続ける良策を支えるのは疱瘡を駆逐するという強い信念だ。
難関のひとつは、種痘というまったく新しい治療法に対する民衆の恐怖である。
恐怖とそこから生じる混乱に乗じた陰謀論が、治療への大きな動きを鈍化させる。疑うことは必要だ。しかし、未知の治療法をまったく知ろうとせずに「妖術」と断じて治療を拒否、あまつさえ妨害までする人々への良策の苛立ちは、[[コロナ禍]]を経験した我々も深く理解できる。
このような時代を超えた人物への共感は歴史ドラマの醍醐味だと、本作を観て改めて思った。
## 情報
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