# 2025-02-24 [[🎞️『ブルータリスト』]]を観る ## 感想 劇場で鑑賞。 ![Xユーザーのこーしんりょー@SpiSignalさん: 「『ブルータリスト』観た。ホロコーストを生き延びアメリカへ亡命したユダヤ人建築家の半生を描くドラマ。いかにもアメリカン・ドリームを描いた重厚なアメリカ映画、という体裁をしながら、アメリカという国が「よそ者」に対して自由を与えると同時に奪い取るものを描き出そうとする攻めっ気も。」 / X](https://x.com/KO_SHIN_RYO/status/1893926411477348519) ### 「重厚で骨太なアメリカ映画」を再建築する ホロコーストを逃れてアメリカへ亡命したユダヤ人の建築家が、アメリカン・ドリームを掴む。 伝記映画風(内容は完全にフィクション)で、演出や劇伴もかつて観た重めのアメリカ映画を想起させるクラシカルな雰囲気を漂わせ、そして上映時間は3時間35分(インターミッション付き)。 なんというか、「重厚で骨太なアメリカ映画」のステレオタイプをあえて踏まえてみせているような感すらある。それを低予算のインディペンデント映画でやりきってみせる。 だからだろうか、映画自体はクラシカルな雰囲気なのに、作り手たちの「やりたい表現をやる」という若々しさを鑑賞中に感じていた。不思議な手触りの映画だ。 ### 今、あの時代の映画を再現する意味 ある時代の映画「風」の再現を目指すという企画自体は珍しいものではない。 [[アカデミー賞]]絡みいえば[[🎞️『アーティスト』]]はそれを直球でやってみせた作品だ。昨年の[[🎞️『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』]]もずばりそう。 この試みの意味はなんだろう。もちろん、作り手たちの当時の時代への愛もあるだろう。ある種のラブレターだ。 しかし、あえて古きものを再現する際には、現在から見た批評性が入り込む。[[🎞️『ブルータリスト』]]の場合は、これまで様々な映画で肯定的に物語られてきた「アメリカン・ドリーム」なるものへの疑念だ。 その心意気やよしではあるが、[[🎞️『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』]]のやりきり具合と比較するとどうしても物足りなさは感じる。大作映画感を出すための3時間35分の長尺と考えると、もう少し捻りが欲しい気持ちもあったりする。 総じて面白くはあったのだが、[[アカデミー賞]]において積極的に応援したくなるような作品ではなかったかな。 ## 情報 ![[🎞️『ブルータリスト』#予告編]] ![[🎞️『ブルータリスト』#主要スタッフ]] ![[🎞️『ブルータリスト』#関連リンク]]