# 2025-03-18 [[🎮️『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』]]をプレイ >[!info] > ![[🎮️『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』#概要]] ## 感想 発売当初からぼちぼちプレイしていたのだが、ようやくクリアしたので軽く感想をまとめておこう。 ### はじめてクリアした2Dゼルダ 私はそんなに[[『ゼルダの伝説』シリーズ]]に明るくない。 きちんとエンディングまでプレイした記憶があるのは[[🎮️『ゼルダの伝説 時のオカリナ』]]、[[🎮️『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』]]、[[🎮️『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』]]の三本だけ。 いわゆる3Dゼルダの定番どころだけであり、見下ろし型の2DゼルダはNintendo Online加入者特典で遊べるものをすこし触った程度だ[^1]。 そんな私が本作を購入したのはひとえに[[🎮️『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』|『ティアーズ オブ ザ キングダム』]]が好印象だったからだ。 その前作に当たる[[🎮️『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』|『ブレス オブ ザ ワイルド』]]の時点で極まった傑作だったが、その傑作を前提とした各パートのパワーアップと、続編だからこそ効果的なゲームデザインおよびストーリーテリングにすっかりやられてしまっていた。 だからNintendo Directで発表された時点で今作も買おうと考えていた。 >[!cite] > ![[🎮️『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』#ティザー映像]] > 豚ガノン登場など初代リメイクをにおわせてからのゼルダ姫主人公の新作発表は結構なサプライズ演出だった。 ### クリアに時間がかかった理由 本作は[[🎮️『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』|『ブレス オブ ザ ワイルド』]]のようにチュートリアルが終わったらどこに行っても良い、というオープンワールドではない。途中の分岐はあるものの、大枠では決められた手順通りに進んでいく。 その結果、切りの良いタイミングが生じてしまった。具体的には本作全体から見て折り返し地点となる、ハイラル城の攻略が終わったタイミングでいったん積んでしまった。 それからは、[[2025-01-10 キャプチャーボードが故障する|キャプチャーボードが故障]]したり、より優先度の高い[[Nintendo Switch]]タイトルとして[[🎮️『ドンキーコング リターンズ HD』]]が出たりなどして後回しになってしまったのであった。 >[!check] > 任天堂タイトルとしては[[『ドンキーコング』シリーズ]]のほうが愛着がある。 > - [[2025-02-14 🎮『ドンキーコング リターンズ HD』をプレイ]] ### カリモノ・掛け算の幅が思ったよりも狭い ティザー映像でディレクターの[[👤青沼英二]]さんが仰られるように、本作のコンセプトのひとつは==「見下ろし型ゼルダのアタリマエを見直す」== ことだろう。 本作のコアアイデアは「カリモノ」である。 フィールドにあるオブジェクトや倒した敵キャラクターを記録することで、いつでも・どこでも召喚できるというシステムだ。 カリモノの数は100種類を超える。ゼルダらしい謎解きや戦闘を前に、どのカリモノをどのように駆使するか、という遊びがゲームの中心となる。 カリモノが増えることで次から次へとできることが増えていく。必然的に、謎解きひとつとっても解法は複数想定されている。この点は[[🎮️『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』|『ブレス オブ ザ ワイルド』]]以降のシリーズの遊びに近づけたといえるだろう。正攻法もゴリ押しも、攻略さえできればそれでよし。 実際に、お気に入りのカリモノでゴリ押しする体験は[[🎮️『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』|『ブレス オブ ザ ワイルド』]]に近い面白さだった。 >[!cite] > ![[『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』タイマーカッター.webp]] > 引用:[[🎮️『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』]] > > 個人的にお気に入りのカリモノのひとつとしてタイマーカッターを挙げたい。 > 時間差で高速に直進しながら攻撃するカリモノで、攻撃はもちろん移動にも使える。そしてなにより細長い地形にずらりと並べてステージギミックのように敵を倒すのが楽しい。 しかし、たくさんあるカリモノを組み合わせることによって生じる**掛け算の面白さ**はそれほどでもなかった。 [[🎮️『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』|『ブレス オブ ザ ワイルド』]]の面白さは、3D空間で再現された物理シミュレーションと各オブジェクト間の相互作用による掛け算により、プレイヤーの試行錯誤の幅が広く、さらには意図しないオモシロ攻略がアドリブ的に発生するところだった。 続編の[[🎮️『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』|『ティアーズ オブ ザ キングダム』]]における[[ウルトラハンド]]と[[スクラビルド]]のふたつの能力はその掛け算の項を増やして出力幅をさらに広げる凄まじいシステムである。 対して[[🎮️『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』]]のカリモノ。 見下ろし型の2Dゼルダでは、物理シミュレーションに大きな制約がある。だから「オブジェクト間の相互作用」のパターン数を増やすことで掛け算の幅を広げられないか、という狙いを感じた。だからカリモノの数の多さが大事なわけだ。 しかし、肝心の「複数のカリモノを組み合わせて何かをさせる」というマップやシチュエーション作りに難儀したのではないか推察する。 その時点でプレイヤーが保持するカリモノのパターン、一度に召喚できるカリモノ数の制約、その上でカリモノをバランスよく活用してもらうためには何よりマップが重要だ。その点で言えば、私のプレイにおいてはあまりカリモノの組み合わせという面白みは生じなかった印象である。 結局は汎用性の高いカリモノでゴリ押し、という発想になりがちだった。この点は、一度記録したカリモノはいつでも・どこでも使えるというゲームデザインの難しいところだと思った。 複数の解法を許容するという遊びの幅も、マップによっては「簡単・大味」という印象を強める箇所が多かったように思う。 ### それでもゼルダが主人公というのは大きい より広く「ゼルダのアタリマエを見直す」という観点で見るとやはり「主人公がゼルダ」というポイントは大きい。 プレイヤーが操作する主人公キャラクターはリンクである、というアタリマエを見直したことは今後のシリーズ展開に少なくない影響を与えるかもしれない。 そもそも「カリモノ」というシステムも、主人公をリンクで固定する限りは広げるのが難しい発想だっただろう。 [[『ゼルダの伝説』シリーズ]]というアクションアドベンチャーの王道タイトルでありながら、少し変わった手触りの作品としてよいチャレンジだったと思う。 ## 情報 ![[🎮️『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』#紹介映像]] ![[🎮️『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』#関連リンク]] [^1]: [[🎮️『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』]]の影響を強く受けている[[🎮️『がんばれゴエモン3 獅子重禄兵衛のからくり卍固め』]]はやり込む程度に好きだったりするので、ハマる素質はありそうという自己評価。