# 2025-07-10 [[📘『プロジェクト・ヘイル・メアリー』|📘『プロジェクト・ヘイル・メアリー 上』]]を読む
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## 感想
例によって、[[🎞️『プロジェクト・ヘイル・メアリー』]]の予告編公開に合わせて改めて「[[ネタバレ]]される前に読め」という圧力が高まったことから重い腰を上げて読み始めたのである。
原作翻訳本の発売から半年後には[[Kindle]]版を購入していたので、そこそこの期間積んだ本だ。
[[👤アンディ・ウィアー]]作品は代表作である[[📘『火星の人』]]とそれを原作とした[[🎞️『オデッセイ』]]が好きなので、まあ本作もきっと面白い宇宙SFなのだろうと分かったつもりになっていた。これが積み(=罪)が増える基本的な思考なのである。
で、実際に読んでみると本作についてみんながネタバレを気にしている理由もわかった。
もちろんここでは深くは踏み込まないが(下巻感想にまわそう)、ぼやかして言えば本作は「少しずつ全貌が分かっていく」感覚こそを楽しむ作品なのだ。
読み進めるペースに合わせて、この宇宙がどのような危機に瀕しているのか、主人公(物語開始時点で記憶喪失)に課せられたミッションは何なのかが少しずつ開示されていく。
この段階的に分かっていく感覚にミステリ的な楽しさがある。
さらに、上巻の半ばにある大きな展開を境として、「少しずつ全貌が分かっていく」その対象ががらりと変わり、主人公もまた未知から既知の範囲を広げていくようなお話になっていく。
そして「何も知らない」状態から「何かを知る」状態に至る独特な快感が、読書体験と物語体験とが組み合わさって同時に襲いかかってくるのだ。
この体験は一頁ずつ読み進めるというスタイルでこそ最大化されるもののように思う。
だから私も明言しておこう。上巻だけでも断言できる、これは確かにネタバレされる前に読んだほうがいい小説だ。
このまま続けて下巻を読み始めるが、どういう結末に至るのか大変楽しみである。
>[!check]
> ネタバレありの感想は下巻のノートで書いた。
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> - [[2025-07-15 📘『プロジェクト・ヘイル・メアリー 下』を読む(ネタバレあり)]]
## 情報
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