# 2025-08-11 [[🎞️『KNEECAP/ニーキャップ』]]を観る
![[レーティング#^r-18]]
## 感想
劇場で鑑賞。

[[👥ニーキャップ]]についてはこの映画でその存在を初めて知った。
映画を観た後に調べてみると、今年の6月28日にイギリスで開催された「グラストンベリー・フェスティバル」で[[👤ボブ・ヴィラン]]の反イスラエル的パフォーマンスが論争を呼んだ際に、同時に[[👤キア・スターマー]]首相に名指しで批判されていたようだ。
そんなヒップホップグループの結成のヒミツがこの伝記映画によって知ることができる――わけではないようだ。観れば分かるが、わりと「そんなことあるかい!」という設定が多く、実際に大部分がフィクションのようだ。
しかし、実際に本人役で演じる[[👥ニーキャップ]]の面々のパフォーマンスを見れば/聞けば、このどこか荒唐無稽な物語がピッタリだと思った。
当時はまだ北アイルランドの公用語として認められていなかったアイルランド語。話者数が少ない言語であえてラップをする彼らは、自らのパフォーマンスでアイルランド語の復権を目指す。自らのルーツ、文化的アイデンティティをアートとして表現するのだ。
その内容があまりにも猥雑なのも好ましい。アイルランド語を学ぶことではじめてそのリリックが貧困やドラッグ、暴力について語っていることを知ることができる仕組みだ。
[[北アイルランド問題]]と物理的暴力を分離するのは難しい。それでも本作は暴力を極力描かないようにしている。
冒頭から、「ベルファストの物語はいつもこんな始まりだ」というセリフとともに苛烈な暴力が映されるが、すぐに「この映画は違う」とカットしてしまう。
また、中盤にも小規模な乱闘シーンがあるのだが、そこも特に意味もなく早送りされる。
それは[[👥ニーキャップ]]というグループの、そして彼らの世代の物理的暴力でない闘い方を示しているように思った。
彼らにとっての弾丸は言葉だ。そんな彼らのパフォーマンスに私も魅了されてしまったのであった。
## 情報
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