# 2025-08-16 [[🎞️『アイム・スティル・ヒア』]]を観る ## 感想 劇場で鑑賞。 ![Xユーザーのこーしんりょー@SpiSignalさん: 「『アイム・スティル・ヒア』観た。軍事政権下のブラジルで夫を軍に拘束された家族を描く実話を基にしたドラマ。理不尽な処遇を受けてもなお強かに闘う母親と子供たち。国家という最大の権力は最も簡単に個人の生活を破壊できてしまうことを突きつけられる。」 / X](https://x.com/KO_SHIN_RYO/status/1956611548966957240) ### 国家権力の暴走 幸福な家庭。その幸福を破壊することなど、国家という権力からすればいとも簡単なものだ。 軍事政権下、反政府的活動を暴力で抑え込み、あまつさえその事実が隠蔽されていた時代。 父親が軍により連行され、以降二度と返ってくることのなかった家族を描いた作品だ。 その家族の息子であった[[👤マルセロ・ルーベンス・パイバ]]の回顧録を原作とした実話である。 妻である**エウニセ**([[👤フェルナンダ・トーレス]])自身も数週間拘束され、反政府的な人物の告発を強要される。その追い込みの恐ろしさは強烈だ。家に小さな子供を残したまま、夫の安否も不明の中での事情聴取はあまりにも理不尽。 しかし、それでも夫の生死を確かめるべく強かに行動するエウニセと子供たちの姿に勇気づけられる。 海外メディア向けの写真撮影で「もっと悲しそうな表情で」と言われ、それでも「笑って」と子供たちに語りかけるシーンは象徴的だ。 確かに世間の同情を誘うならば悲しそうな写真のほうが効果的だろう。 しかし、写真にそのときの本当の姿を残したことは、劇中で大きく時間が飛んだ後にその写真を見返したときの登場人物たちの心情を思えば正しかったように思う。まだ状況がわかっていない小さな子友達は笑っているが、同じ写真に写る年長の姉の表情を見れば、誰であってもこの家族の厳しい事情は察せられたことだろう。 ブラジルにおける、国家権力による自国民への暴力という凄惨な歴史を描いた本作。 日本ではちょうど前日に80年目の終戦の日を迎えた。[[👤石破茂]]首相が全国戦没者追悼式で第2次[[👤安倍晋三]]内閣以来避けられていた「戦争の反省」という表現を使った件がニュースになった。 人類が愚行を繰り返さないためにはこうした歴史を直視して学んでいくほかないのだ。 >[!cite] > - [石破首相 全国戦没者追悼式で「反省」言及 恒久平和実現に決意 | NHK | 戦後80年](https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250816/k10014895291000.html) ### シャンテという鬼門 以下は本作とまったく関係のない余談。 私は本作を[[📍TOHOシネマズ シャンテ]]で観た。今年[[🎞️『リアル・ペイン~心の旅~』]]でたいへん酷い目にあった劇場なのだが、またもや災難に見舞われた。 >[!check] > 映画館での映画鑑賞とは、ガチャである。 > > - [[2025-02-01 🎞️『リアル・ペイン~心の旅~』を観る]] 今日は隣に座った女性が予告編のときから独り言が激しく、始まる前に不安を覚えた。 しかしそれも杞憂だった。観劇中はその独り言も許容範囲で、集中して鑑賞することが出来た。 しかし、問題は観劇後に訪れた。 私が観た回は[[📍TOHOシネマズ シャンテ|シャンテ]]の2階で、次の上映作品が[[🎞️『国宝』]]ということもあり、退場の時点ですでにロビーは人でごった返していた。 そんななか本作のパンフレットを求めて物販の列に並ぶ。取り扱いパンフレットの記載には確かに[[🎞️『アイム・スティル・ヒア』]]が含まれていることを確認し、7~8分ほどの待機時間の末にようやくレジまで辿り着いたのだが、本作のパンフレットの扱いは4階で行っているという。 だったらそう書いとけや、という気持ちをぐっと押さえて4階へ。しかし4階についたら本作のパンフレットは売り切れだと告げられる。正直ここでひと暴れする寸前だったのだが、グッと抑えて帰途についたのであった。 入場開始前の人入りという点では確かに[[📍TOHOシネマズ シャンテ|シャンテ]]で見たことがなかったかもしれないくらいの盛況具合でさすが人気絶頂の[[🎞️『国宝』]]だな、という話なのだが、それを2,3人のスタッフで捌くのに手一杯で連携がうまくいっていなかったのだろうと思う。 ## 情報 ![[🎞️『アイム・スティル・ヒア』#予告編]] ![[🎞️『アイム・スティル・ヒア』#主要スタッフ]] ![[🎞️『アイム・スティル・ヒア』#関連リンク]]