# 2025-08-23 [[🎞️『雪風 YUKIKAZE』]]を観る
![[ネタバレ#^warning]]
## 感想
劇場で鑑賞。

上映開始前、一人では階段を移動できないご高齢の方を支えながら移動している組が複数見られ、客席の年齢層の高さを実感。あまり経験したことのない客層だったかもしれない。
正直、ミリタリ方面の興味が薄い人間なので、雪風という駆逐艦の存在もこの映画で初めて知った。幾多の激しい戦場で撃沈を回避し、他艦の乗員の多くを救出したことから幸運艦と呼ばれている。
この「救う」という精神、そしてその継承が本作のテーマだ。
新たに着任した艦長である**寺澤**([[👤竹野内豊]])は、着任したその日に先任伍長である**早瀬**([[👤玉木宏]])に「[[ミッドウェイ海戦]]の際は前線に残りすぎだった」と苦言を呈した。しかし雪風が前線に残ったのは仲間を救うためだったのだ。その同日、まさに[[ミッドウェイ海戦]]で早瀬が命を救った水雷員の**井上**([[👤奥平大兼]])が着任する。
雪風で数々の戦火をくぐり抜けるにつれて寺澤や井上は早瀬の精神性に惹かれ、それを継承していく姿がドラマの中心となっていく。
戦後、寺澤の娘が自衛官となり、台風により孤立した子供を救うシーンをもって、その精神が戦後にも継承されたことを示すところは見事だった。この成長した娘を[[👤有村架純]]が演じており、この1シーンのためのキャスティングとしての豪華さは目を見張るものがある。
しかし、一転して海戦シーンについては予算の足りなさを感じずにはいられなかった。
特に、対空機銃を撃つショットが何度となく繰り返されるが、まさにそこの表現がチープに見えてしまう作りで、それが映る度に映像のテンションが下がってしまう。
また、これは「継承」というテーマに通じるのだが、落水した兵士を救うシーンも映画全編を通して何度か繰り返されることになる。しかしその見せ方が毎回似たりよったりのため終盤は既視感が漂う。
時代設定や海上を舞台としているという類似性から[[🎞️『ゴジラ-1.0』]]との比較は避けられず、特撮やVFXという観点ではかなり見劣りすると言わざるをえない。
作品コンセプトやメッセージは悪くないのだが、役者陣の好演の割には地味で淡白な映像のために面白みが発揮しきれていない印象であった。
またそのメッセージも、それを安直なセリフにして観客へと直接叫びかけるというダメ押しのような演出が最後に用意されており、ここだけはどっちらけという他なかった。
## 情報
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