# 2025-09-06 [[🎞️『バード ここから羽ばたく』]]を観る ## 感想 劇場で鑑賞。 ![Xユーザーのこーしんりょー@SpiSignalさん: 「『バード ここから羽ばたく』観た。12歳の少女の成長物語だが、その背景に濃厚に漂う死と暴力の気配。両親を探しているという不思議な青年との四日間の交流が美しく切り取られる。」 / X](https://x.com/KO_SHIN_RYO/status/1964262824081051735) 序盤は少し退屈したが尻上がり的に面白くなり、最後には涙した。 いま思うと[[🎞️『ふつうの子ども』]]の直後に観たのが食い合わせが悪かったかもしれない。12歳の少女**ベイリー**([[👤ニキヤ・アダムズ]])を主人公に置いた本作もキッズ映画と言えなくもないが、同じ現代を舞台にしながら子どもたちが置かれた環境の治安の悪さが違いすぎるのだ。そこのチューニング合わせに少々苦戦してしまった。 シングルファザーである**バグ**([[👤バリー・コーガン]])、腹違いの兄である**ハンター**([[👤ジェイソン・ブダ]])、そんな二人と暮らすベイリー。 バグは分泌液にドラッグ成分を含むカエルで一儲けしようと企み、ハンターは街の自警団に加入する。ベイリーの周囲からしてすでに日本では考えにくい治安の悪さだ。 そんな彼女はある日、両親を探しているという謎めいた青年**バード**と出会う。服装や振る舞いまで、いたるところまで不思議な彼に惹かれ、両親探しを手伝うことになる。 物語で描かれるのはたったの4日間。バードとの出会いから別れまで。そのタイムリミットには父親バグの結婚式が置かれている。 この期間にベイリーが初潮を迎えるということからも、この映画が少女から大人への変化を、バードとの冒険を通して[[ジュブナイル]]的に描くという骨格が見えてくる。 バードとの冒険の間は忘れていられるが、その背景には濃密な死と暴力の気配が漂う。 別居している母親は暴力的な恋人と暮らしており、その様子に愕然としたベイリーは自警団にその恋人の映像を送り、殴り込みを依頼する。 殴り込みを実施する日、ベイリーは母親と暮らす妹たちが巻き込まれないようにバードとともに海へ連れて行く。生の象徴である海と不吉を予感させる鳥たちが美しいこのシークエンスの裏では凄惨な暴力が繰り広げられているということを考えずにはいられない。 そんな死と暴力がちらつく映画だからこそ、その反対としての<ruby>生<rt>せい</rt></ruby>のエネルギーが炸裂するクライマックスに涙したのであった。 ## 情報 ![[🎞️『バード ここから羽ばたく』#予告編]] ![[🎞️『バード ここから羽ばたく』#主要スタッフ]] ![[🎞️『バード ここから羽ばたく』#関連リンク]]