# 2025-09-18 [[📗『BugBug』]]と[[📗『メガストア』]]の2025年10月号を読む インタビューを中心に気になった記事をメモする。 今月号はどちらもインタビュー記事が乏しくハズレだった。 ## [[📗『BugBug』]]2025年10月号 ### 表紙 今号の表紙は[[🎮️『野々村病院の人々』]]のヒロイン牧野理恵の描き下ろし。 アオリ文には「**エロゲ雑誌にぜ~んぶおまかせ♡**」とあるが、ナースキャラを前面に出してのこの一文はもしかしたら[[🎮️『ナースにおまかせ』]]オマージュじゃないかしら。 ### [[🎮️『下級生』|🎮️『下級生リメイク』]]特集 4Pの特集。 [[2025-08-21 📗『BugBug』と📗『メガストア』の2025年9月号を読む#🎮️『野々村病院の人々』 🎮️『野々村病院の人々リメイク』 特集|前号]]の[[🎮️『野々村病院の人々』]]特集で語られていた[[🎮️『下級生』]]のリメイク版の情報解禁。今年12月発売予定で実に29年越しのリメイクとなる。 当時はまだまだはなたれ小僧だった私にとっては、色んな意味で伝説となった[[🎮️『下級生2』]]あたりの年代の作品じゃないと概要がさっぱり分からなかったりする。 ### [[🎮️『何度目かのはじめまして』]]特集 4Pの特集。Purple software営業広報へのショートインタビュー付き。 人気原画家[[👤克]]氏の絵を最大限まで楽しめるゲームづくりをということで今回呼んだのが[[👤さかき傘]]。 キャラクターデザインとしては地味なモチーフで組み上げられたキャラなのだが、[[👤克]]氏特有のデザイン力で素晴らしいキャラクターデザインになったという。うーん、その具体的な工夫ポイントを創作者自ら語って欲しいところである。 ### [[🎮️『君が望む永遠』|🎮️『君が望む永遠 ~Enhanced Edition R~』]]特集 4Pの特集。3.5Pに渡るロングインタビュー。 [[🎮️『君が望む永遠』]]の過程をさっぱり追っていないので、今回の『Enhanced Edition R』までの流れを復習してくれるのは助かる。 大本のベースはオリジナルである2001年版ではなく、2008年に発売された[[🎮️『君が望む永遠』|🎮️『君が望む永遠 ~Latest Edition~』]]。それを元に『Enhanced Edition』が作られる。 この全年齢版作成の際に参考にしたのがPS2移植版である『Rumbling hearts』。18禁シーンのカットだけでなく前後のシナリオ含めて手を加えるアプローチを踏襲したという。正直、「それ以外にやりようがあるのか?」と読んでいて思ったのは内緒。 [[🎮️『君が望む永遠』]]といえば体験版。まだ確定はしていないらしいが体験版配布は候補にあるという。当時の体験を蘇らせるという試みとして、リメイクするならばこれはやるべき広報だろう。 ### 声優STATION - [[👤和央きりか]]インタビュー 多分メインの出演作を一作もやっていない声優だ。インタビューでも語っているがサブキャラでの出演が多いとのことで、直近だと[[🎮️『終ノ空』|🎮️『終ノ空remake』]]でお会いしていた。 この企画に出演する声優たちから仲の良い同業者としてよく名前が上がる方らしい。 デビュー作は[[🎮️『女王蜂の王房』]]。まったく知らないタイトルだと思ったら乙女ゲーだった。和央さんとしては初めてのゲーム仕事、初めての18禁仕事とのことだが、これがなかなかハードな内容らしく興味をそそられてしまった。 台本はタブレット。難しいセリフはチェック時にそのセリフにあったキャラの似顔絵を描くらしく、そういう意味では紙台本のほうがいいのだが、スタジオでベテランプロデューサーに「オレだってタブレットなのに、お前化石じゃーん」と言われてタブレットに転向したという。エロゲー業界酷い話のひとつに認定。 ## [[📗『メガストア』]] 2025年9月号 ### [[🎮️『ライムライト・レモネードジャム』]]特集 巻頭6Pの特集。ディレクターの[[👤ろど]]氏へのインタビュー。 以前から企画会議で挙がっていたバンドモノ企画を今回やってみよう、という流れで動き始めた本作。 企画コンセプトはSF・ファンタジー要素のない、ストレートな音楽青春モノ。特に[[コロナ禍]]に学生時代を送り、満足に学生生活を送れなかったような方々向けに制作したという。さすが[[ゆずソフト]]、ユーザーのペルソナ設定が明確で、かつ時流を的確に読めている印象だ。 エッチシーンについて、作品テーマである音楽と結びつけるような方向でシーンを演出しないようにしたとのこと。 個人的に、エロゲーのエッチシーンにおいて難しいと考えているポイントとして、そのヒロインにとっての大切なものをポルノに巻き込むことを是とするか否かという問題がある。 これは正確に他者に伝わるか自信のない話であるのだがなんとか言葉にしてみると、そのヒロインを構成する核に近いものを性的に見て、消費してしまうという暴力性に私は確実に興奮を覚える。しかし、同時にそれは他者の尊厳に対する暴力なのだと自覚してしまうとそこに葛藤が生じ、ペニスを握りながら頭はグシャグシャになってしまう。 はなから暴力や凌辱を中心に置いた「暴力性を楽しむ」エンタメならば頭を切り替えることができるが、そうでない場合は作品側で上手くバランスを取らないと違和感の強いエッチシーンになりかねない。その点、今作では回避する方針をとったということで、賢明な判断だと思った。 ### [[👤胡桃ふゅ]]のエロゲ業界探検隊 - [[👤小倉結衣]]インタビュー この企画も2年目に突入ということで、ここでキャリア22年の[[👤小倉結衣]]さんを召喚。 [[YouTube]]チャンネルでゲストとして呼んだりするなど大ファンだという。 エロゲー声優をやることになったのは単純に事務所がエロゲーの仕事を受けていたから。それまでは声優にエロの仕事があることを知らなかったという。最初の仕事でスタジオに入って戸惑っていたらマネージャーに「なに勉強してきたんだ!」と叱られ、それを見た音響監督が別日にスタジオで[[👤鳥居花音]]さんの収録現場を見学させてくれたとのこと。エロゲー業界良い話のひとつに認定。 チュパ音などのスキルは声優同士の飲み会で会得。また当時は実家住みで家で練習ができなかったから現場でいろいろ試し事もあるという。 転機になった作品は[[🎮️『D.C.II 〜ダ・カーポII〜』|🎮️『D.C.II P.C. 〜ダ・カーポII〜 プラスコミュニケーション』]]、[[🎮️『Flyable Heart』]]、[[🎮️『処女はお姉さまに恋してる ~2人のエルダー~』]]を挙げる。どれも2000年代後半にリリースされ、それを境に出演作数が一気に増加。 当時は[[アトリエピーチ]]に所属。アトリエピーチはコスプレ衣装を作っているので作品衣装を作ってもらってイベントに多く参加したとのこと。そうなると名前も売れるし、メーカーからも一回使ってみようかという流れができたと。 このあたりのリアルイベント事情について私は超疎いので、なるほどなと思った。 ちょっと笑った記述があるためそのまま引用。 >[!cite] > **胡桃**:いろんなメーカーさんから声がかかるようになったんですね。 > **小倉**:そうそう。そこから純愛系とかキャラ萌え系の出演が増えだして。そしたらマネージャーが、小倉結衣は白系作品だけにしましょうって言い出して。だから2009年以降は陵辱系や黒系作品には出演していないんです。 この「小倉結衣は白系作品だけにしましょう」という含みのある言い方になんともいえぬ深いものを感じたのであった。 酒好きで、喉を酷使しても飲めば治るとのこと。 それに胡桃さんが喉焼けについて質問すると、喉焼けとは酔っ払って、自分でも制御できないような大声で喋り続けるから喉が潰れるのだという。 私はアルコールを一滴も飲めないので「本当か?」と思い調べてみると、アルコールによる刺激で炎症を起こしやすいという原因もあるようだが、実際に酔いによる行動変化も影響するとのことで勉強になった。 小倉さんは紙台本派。紙のほうが内容の理解度が高く感じるといい、実際にスウェーデンの研究機関がそのような研究結果を出しているらしい。 今回の[[#声優STATION - 👤和央きりか インタビュー]]で語られたエピソードとは好対照で面白い。