# 2025-09-20 [[🎞️『愛はステロイド』]]を観る ![[レーティング#^r-15]] ## 感想 劇場で鑑賞。 ![Xユーザーのこーしんりょー@SpiSignalさん: 「『愛はステロイド』観た。愛を求める我々は愛に様々なものを仮託してきた。愛が人を狂わせる、愛が人に衝動的な行為を促し、そして愛が人を殺人に駆らせる。本作はそれに加えて愛に肉体を膨張させてみせる。見事に鍛えられた肉体は暴力をより容易にする。つまり、愛はやっぱり人を殺す。美しい映画だ。」 / X](https://x.com/KO_SHIN_RYO/status/1969302494367916301) >[!info] > ![[🎞️『愛はステロイド』#概要]] 愛し合う二人が町の暗部に手を出してしまいそこから逃れようともがく[[ノワール]]だ。 1989年を舞台としており、似たようなプロットの作品は当時からして多くあろうが、本作は愛し合う二人をレズビアン(ひとりはバイセクシュアル)としているところで差別化をする。 スポーツジムや射撃場といったマッチョ的、男根主義的な舞台にもかかわらずそこにも女性が多く映るのも特徴で、80年代から90年代にかけてのアメリカ産[[ノワール]]映画を[[脱構築]]する狙いが感じられる。 プロットは何度も見た覚えがあるのに、映画としては観たことがないもの。そんな映画を本作は目指しているように感じた。 主演二人がとにかく格好いい。 [[👤クリステン・スチュワート]]演じる**ルー**のクールな顔立ちと、[[👤ケイティ・オブライアン]]演じる**ジャッキー**の仕上がりきった肉体美。 とくに[[👤ケイティ・オブライアン]]は今年[[🎞️『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』]]で非常においしい役どころを演じており魅了されたこともあって本作での彼女の活躍には眼福。 邦題にもある「ステロイド」が作品テーマにも効いている。 ステロイドを打った肉体はふたりが愛し合う度に波打つように膨張していく。性的なメタファーであると同時に、この膨張という表現がクライマックスにあっと驚くビジョンを映画にもたらすことになる。バカらしくもあり、同時に爽快さもある表現だった。 思えばルーは最初から最後まで「後始末」の人だった。 登場シーンからしてトイレ掃除をしているし、劇中何度も遺体の後始末をさせられている。 そこで、クライマックスの画を思い返すと、ひょっとしてこれこそが[[🎞️『大怪獣のあとしまつ』]]なのでは……などというしょうもないことを考えたりしたのであった。 ## 情報 ![[🎞️『愛はステロイド』#予告編]] ![[🎞️『愛はステロイド』#主要スタッフ]] ![[🎞️『愛はステロイド』#関連リンク]]