# 2025-09-30 [[📘『Pythonで動かしながら学ぶコンピュータネットワーク』]]を読む >[!info] > ![[📘『Pythonで動かしながら学ぶコンピュータネットワーク』#概要]] ## 感想 昨年[[独立行政法人情報処理推進機構|IPA]]の[[ネットワークスペシャリスト試験]]に合格したものの、実務でネットワークを触る感じでもないため、定着した知識を忘れないよう復習したいなあと思っていた。そんな折に出会った一冊。 [[Google Colab]]を利用してブラウザ上でお手軽にシミュレータを動かしながら段階的にコンピュータネットワーク、ひいてはインターネットの基礎を学習できる。 シミュレータも[[Python]]で一から作っていく。はじめはノードとリンクとパケットだけしか概念がない必要最小限のネットワークだったのが、章が進む毎にできることが増えていくのが楽しい。 基本的には事前に用意された構成にパラメータを入力していくことで動きを確認する、という流れだが、やる気があればコードを落としてきて改造してもいいだろう。 個人的には第4章でスイッチ間にあえてループ構成を作って[[ブロードキャストストーム]]を実演するのが、どこかいけないことをしているようで面白かった。こういう遊びはシミュレータの醍醐味だ。 そこから[[スパニングツリープロトコル|STP]]の流れを実装し、ルートブリッジや帯域を変更しながらループ構成を回避していく過程を追えたことは特にいい勉強になったと感じた。 コンピュータ上のアプリケーションがサーバと通信してデータの交換を行うまで何段にも及ぶプロセスがある。 それをこれまでは座学によって得た抽象的な知識として蓄えていたが、コードに落とし込んで具体的に触った本書での経験は今後いくらか使えそうに思った。 本書を読んでも実務的なコマンドやツールといった表面的な知識は得られないかもしれない。しかし、その知識の土台となる基礎部分を体感することができるという点で、なかなか歯ごたえのある読書体験だった。 ## 情報 ![[📘『Pythonで動かしながら学ぶコンピュータネットワーク』#目次]] ![[📘『Pythonで動かしながら学ぶコンピュータネットワーク』#関連リンク]]