# 2025-10-04 [[🎞️『ワン・バトル・アフター・アナザー』]]を観る ![[ネタバレ#^warning]] ## 感想 [[📍グランドシネマサンシャイン 池袋]]、[[IMAX#IMAXレーザー/GTテクノロジー|IMAXレーザー/GTテクノロジー]]シアターで鑑賞。 ![Xユーザーのこーしんりょー@SpiSignalさん: 「『ワン・バトル・アフター・アナザー』観た。IMAXレーザーGT。クライマックスの壁のようなアップダウン激しい道路でのカーチェイスは見応えがあるもののクラシカルなアメリカ映画的語り口にあまりノレず。」 / X](https://x.com/KO_SHIN_RYO/status/1974396259999072557) >[!info] > ![[🎞️『ワン・バトル・アフター・アナザー』#概要]] ### グラシネよ! 全編1:1.43画角、すなわち[[IMAX#IMAXレーザー/GTテクノロジー|IMAXレーザー/GTテクノロジー]]の巨大スクリーンいっぱいに映す、いわゆる**フルサイズIMAX**が最初から最後まで続く世界初の劇映画だ。 ただし本作の撮影方式はIMAXではないことに注意が必要だ。直近では[[🎞️『ブルータリスト』]]でも採用された[[ビスタビジョン]]というフィルム撮影方式を採用している。 この撮影方式で撮られたフィルムから上映用プリントを作成する際にどのようなアスペクト比にするかという過程で[[ビスタサイズ]]が生まれた。これは縦横比1:1.50の高画質映像が撮れるため、フルサイズIMAXのフォーマットにしても劣化しないのだそうだ。 そんな映画なので、当然[[IMAX#IMAXレーザー/GTテクノロジー|IMAXレーザー/GTテクノロジー]]で観たい。関東ならば[[📍グランドシネマサンシャイン 池袋]]一択だ。 しかしこの映画館は初週から==本作を一日一回しか[[IMAX]]シアターでやらない==という。本日付では他には以下の作品が上映されている: - [[🎞️『THE FIRST SLAM DUNK』]] - [[🎞️『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』]] - [[🎞️『チェンソーマン レゼ篇』]] - [[🎞️『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 』第一章 猗窩座再来』]] このうち[[IMAX]]シアター専用のフォーマットを用意しているのは[[🎞️『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』]]だけだ。 それ以外の映画については、大きなスクリーンや優れた音響といったメリットはあるものの、[[IMAX]]のスペックをフル活用しているとは言えない。 興行的に考えれば人がたくさん入る作品に追加料金(800円)を課す形式を割くのは合理的だ。しかし、[[IMAX#IMAXレーザー/GTテクノロジー|IMAXレーザー/GTテクノロジー]]を擁する劇場は関東でここだけなのであり、ならばそのスペックを最大限活かせる作品にこそ回数を割いて欲しいところだ。ゆえに現状はまさに宝の持ち腐れだと言わざるを得ない。 こんなにも私が怒っているのは水曜日の夜に予約をした際、座席選択画面に入るまでに25分ほど要した上に、目の前に表示された画面が以下の通りだったからだ。 >[!cite] > ![[『ワン・バトル・アフター・アナザー』座席選択.webp]] > > 迷った末に、座席はd-25を取った。これだけ前だとさすがに鑑賞に支障があると今回学習したのであった。 ### 個が革命を繋ぐ 愚痴はここまで。事前段階でいろいろと怒ってみたが、本作は映画としてはそんなに好きな作品ではなかった。 もちろん[[👤レオナルド・ディカプリオ]]演じる父親の情けない姿や、[[👤ショーン・ペン]]演じる追跡者のこじれた気持ち悪さなど、個々の要素で楽しませてくれるところは多い。 しかし話の転がし方がどうもノレない、アガらない。思うに観客の予想を裏切るような、展開のはずし方の方向性が好みじゃないのかもしれない。 たとえば、主人公はある重要人物と最後まで相対することがない。 この作劇の狙いは、この映画が描くものが人と人との闘争ではなく、この世界の仕組みの中で闘い争わされていることを描くことで、革命という行為の射程範囲を拡げることのように思った。 しかしドラマの印象としては弱くならざるを得ない。このように手軽に燃える展開をあえて避けている感がある。 他の外し展開としては、[[👤ベニチオ・デル・トロ]]演じるセンセイのラストシーンに「おまえの活躍それで終わりかよ!」と観た誰もが感じたと思う。あの<ruby>強面<rt>こわもて</rt></ruby>でいちいち所作が面白いからキャラクターとしては大変好ましいのだが、一人の人間としてストーリーに与えた影響があまりにも小さい。 ここからもやはり「個」に向いた物語ではないのだなと思ったりするのだが、もっと暴れてほしかったというのが本音だ。 ### 壁のような道路 それでもクライマックスのカーチェイスは上がった。 [[IMAX#IMAXレーザー/GTテクノロジー|IMAXレーザー/GTテクノロジー]]の壁のようなスクリーンが本当に壁となるのだ。激しく波打つ道路を走る車の様子がまるで壁を上へ上へと走っていくように見え、これは映画で観たことがない体験だった。 ## 情報 ![[🎞️『ワン・バトル・アフター・アナザー』#予告編]] ![[🎞️『ワン・バトル・アフター・アナザー』#主要スタッフ]] ![[🎞️『ワン・バトル・アフター・アナザー』#関連リンク]]