# 2025-10-18 [[🎞️『サターン・ボウリング』]]を観る ![[レーティング#^r-18]] ![[ネタバレ#^warning]] ## 感想 劇場で鑑賞。 ![Xユーザーのこーしんりょー@SpiSignalさん: 「『サターン・ボウリング』観た。フェミサイドに走る弟、弟が犯人と知らず事件を追う兄の刑事。猟師の父を持つ対照的な兄弟の繋がりを感じさせる暴力性、たまたま居合わせた環境活動家の前で威嚇するように歌い出し、狩猟映像を流す猟友会の幼稚なホモソーシャル性と、身につまされるキツい一作。」 / X](https://x.com/KO_SHIN_RYO/status/1979425886228402200) >[!info] > ![[🎞️『サターン・ボウリング』#概要]] どうも[[フェミサイド]]を題材としたエグい映画という噂が耳に届いたので観に行った。なるほどこれはまったく笑えないタイプの暴力映画だ。 父親のボウリング場を継いだ兄弟が主人公だが、弟の**アルマン**([[👤アシル・レジアニ]])は冒頭から危うい暴力の臭いを漂わせる。女性に対する視線の質感と、性的な昂りを物に当たることで発散する態度。 そして案の定、それは決定的な暴力へと発展する。同意の上の激しい性行為が次第に殴打へと変わっていく様に顔をしかめてしまった。性的興奮から暴力衝動へのスムーズな移行はリアルでキツい。 その事件以後は兄の**ギヨーム**([[👤アリエ・ワルトアルテ]])に視点は移る。 ギヨームは刑事として街の殺人事件を追うが、観客としては次々と発見される女性の遺体はどれもアルマンによるものだと当たりが付いている。つまり、ミステリ的に面白がらせるのではなく、ギヨームとアルマンの緊張関係と直接対決に比重を置いた作劇た。 その舞台として二人が父親から継いだボウリング場がなんとも言えぬ存在感を放つ。 父親は猟師として猟友会に所属し、自らのボウリング場で定期的に懇親会を開いていた。二人が継いだ後も猟友会の男たちが出入りするのだが、それがまた別の嫌な雰囲気を醸成する。 クライマックスではギヨームの恋人で動物愛護活動家の**スアン**([[👤Y・ラン・ルーカス]])が懇親会の中ボウリング場に訪れるという最悪な場面がある。 猟師たちはスアンの存在に気づくとまるで威嚇するかのように歌いだし、ボウリング場のモニターに狩猟風景の映像を再生する。年下の女性に対して、十人近い男たちがホモソーシャルな空気に気を大きくし、自らの暴力性を誇るかのように嫌がらせをするその光景は、物理的な暴力ではないがやはりキツい。 日本でも見られるこれと近いキツさの光景として、[[ヴィーガン]]が宣伝活動をする前で肉を食べるパフォーマンスを挙げておきたい。決してフィクションではない、現実にある大人の幼稚さの発露だ。 ## 情報 ![[🎞️『サターン・ボウリング』#予告編]] ![[🎞️『サターン・ボウリング』#主要スタッフ]] ![[🎞️『サターン・ボウリング』#関連リンク]]