# 2025-12-13 [[🎞️『TOKYOタクシー』]]を観る ## 感想 劇場で鑑賞。 ![Xユーザーのこーしんりょー@SpiSignalさん: 「『TOKYOタクシー』観た。タクシーと昔語り、空間と時間を移動する映画的体験。人生の悲喜交々をあっさりと描いて見せながら東京観光映画としても良くできている。木村拓哉と倍賞千恵子の二人ならいつまでも画面が持つなあ。」 / X](https://x.com/KO_SHIN_RYO/status/1999698591770902834) >[!info] > ![[🎞️『TOKYOタクシー』#概要]] ### リメイク映画 原作のフランス映画[[🎞️『パリタクシー』]]は予告編を観て気になっていながら見逃していた作品だ。 日本公開は2023年春で、そこからわずか2年半で日本版リメイクが制作・公開されたことになる。 確かに物語の構造としてはシンプルで、舞台となる都市や国の歴史を盛り込むことでその土地ならではの物語に膨らませやすいという観点からリメイクしやすい題材と言えるだろう。 そして、それを撮るのが巨匠[[👤山田洋次]]というのも含めて、原作の配給も手がけた[[松竹]]のスピード感に唸らされる。しっかりヒットさせたことも見事だし、実際に観ればヒットするのも納得できる良い映画だった。 ### 空間的/時間的移動 ポストにも書いたが、タクシーによる空間的な移動と、**すみれ**([[👤倍賞千恵子]])の昔語りによる時間的な移動が重なり合うことで、とても映画的な構造を持つ作品になっている印象だ。 現代の東京をタクシーで巡りながら、その場その場で彼女の個人史が語られていく。そしてその語りの背後にはうっすらと、だけど確実に、日本という国の歴史が透けて見える。 太平洋戦争、在日朝鮮人との交流、「家」と女性、[[ウーマンリブ]]……昭和の日本で女性として生きることがどういうことだったのかが、すみれの言葉から立ち上がってくる。 なかでも印象的なのは、ある苦いエピソードを語り終えた後、すみれの隣席に若き日の彼女が現れ、手を取り合うショットだ。いかにも映画的な、魔法のような瞬間で感動的だった。 そんなすみれの語りを受け続けるのが[[👤木村拓哉]]演じる**浩二**。徹底して「受け」に回った演技で、タクシー運転手として彼女だけでなく、観客の感情までも乗せ走り切る好演だ。 かつての「チャラそう」なパブリックイメージもすっかり影を潜め、スーパースターであり続けながら、様々な作品で幅広い演技を見せている。たまたま私が直近で観た彼の出演作が2004年公開の[[🎞️『2046』]]という結構[[トンチキ]]な映画だったこともあり、改めていい歳の取り方をしたなあと感じたのであった。 ## 情報 ![[🎞️『TOKYOタクシー』#予告編]] ![[🎞️『TOKYOタクシー』#主要スタッフ]] ![[🎞️『TOKYOタクシー』#関連リンク]]