# 2026-01-10 [[🎞️『ALL YOU NEED IS KILL』]]を観る
## 感想
劇場で鑑賞。

>[!info]
> ![[🎞️『ALL YOU NEED IS KILL』#概要]]
### メディアミックスを惹起する強力なIP
2026年新作映画という枠では一本目の映画鑑賞だ。
原作も[[🎞️『オール・ユー・ニード・イズ・キル』|ハリウッド映画版]]も、そこまで好きということでもないIPなのだが、目についたタイムループ作品はとりあえず観るようにしていて、[[🎞️『プラハの春 不屈のラジオ報道』|この日の本命]]と時間の噛み合いが良いということで初週に鑑賞。
原作とはかなり異なる実写映画、次いで原作から視点を変えたけっこう異なるアニメ映画と並べてみると、やはりこのIPの核は「死に戻り」にあるといえる。
より正確に言えば「==ゲーム的なコンティニュー機能を非ゲームの物語に導入した先駆け的作品==」としての[[📘『All You Need Is Kill』]]は、強力なIPであるということだ。
地球外生命体との戦闘という生死のあわいにある状況に主人公が巻き込まれ、死んでもその直後からやり直し、引き継いだ記憶と経験を駆使して障害をクリアしていく。その繰り返しを通して物語を語る。
非ゲームでありながらゲームのような物語を実現したという点が肝であり、だからこそ小説という媒体を超えて様々なメディアミックスを惹起するものがあるのかもしれない。
### 逃げる人を逃げられなくするたったひとつの冴えたやりかた
今回のアニメ映画版での味付けについて個人的に感心したのが、主人公である少女兵士**リタ**([[👤見上愛]])を「逃げてきた人」として描き直した点だ。
母親からの家庭内暴力を受けてきた過去。彼女にとって、地球外生命体の襲来はこれまでの固定化されてきた残酷な世界の変化という「逃げ先」に見え、だから調査ボランティアに志願したという経緯となっている。
逃げて逃げて逃げて、辿り着いた場所。ここから先の逃げ場所はもう死しかない。
しかし、「死に戻り」するということはつまり「死ねない」ということだ。これ以上、逃げることが物理的にできない状況に立たされる。
タイムループとは、終わりがないとは、そういうことだ。死ねない以上は闘うしかない。
物理的に戦闘に繰り出すか、情報収集をするか、やり方は人それぞれだがその行動はどれも「闘い」となるのだ。
### 好きなところ・苦手なところ
いかにも[[STUDIO4℃]]的なカラフルなアートアニメ的ルックで、パワードスーツと地球外生命体の戦いを描くアクションSFをやるという企画は好ましい。
とくに両生類みたいな伸縮性を感じさせるパワードスーツの表現は好き。原作や[[🎞️『オール・ユー・ニード・イズ・キル』|ハリウッド実写版]]がハードSF風のイメージだったので、今回の方向性を明確に差別化するポイントとしてパワードスーツに手を入れたのが目の付け所が良いと感じた。
この差別化によってもたらされたもののひとつがポップさ、もっと言えば「軽さ」だと思う。
この軽さを活かし、原作が持つハードで男性的な「古さ」を飛び越えるきっかけとしようという意図を感じた。だからこそ主人公を変更し、それに合わせた結末に到達することができたのだろう。
そんな「新しさ」が必ずしも私には好ましくなかった、という問題はあった。またこの軽さを強調するためか、特に大した活躍もしない原作由来だからという理由だけで登場するキャラクターが、いかにもお笑い芸人キャストらしいおちゃらけた演技をするのもはっきり嫌いだった[^1]。
## 情報
![[🎞️『ALL YOU NEED IS KILL』#予告編]]
![[🎞️『ALL YOU NEED IS KILL』#主要スタッフ]]
![[🎞️『ALL YOU NEED IS KILL』#関連リンク]]
[^1]: 特に[[👤もう中学生]]さんが演じるヨナバルの過剰過ぎる演技は何度繰り返されても好きになれそうにない。
しかし、エンドロールで各スタッフの英名が併記されていたのだが、[[👤もう中学生]]さんの英名が「Mo-junior high school」だったところで笑ったので彼が出演する価値はあったと思います。