# 2026-01-25 [[🎞️『コート・スティーリング』]]を観る
## 感想
劇場で鑑賞。

>[!info]
> ![[🎞️『コート・スティーリング』#概要]]
### ニューヨーク映画
やはり[[🎞️『ロボット・ドリームズ』]]の影響だろうか。ニューヨークが舞台の映画にテンションが上ってしまうのは。
近年鑑賞したものでは[[🎞️『ロボット・ドリームズ』]]や[[🎞️『ジャグラー/ニューヨーク25時』]]が70年代末から80年代前半を、[[🎞️『ANORA アノーラ』]]は現代のニューヨークを描いていた。
変わり種だと[[👤ドナルド・トランプ]]の成り上がりを描く[[🎞️『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』]]や、本作にもちらりと映るビデオショップの[[キムズビデオ]]を追うドキュメンタリー映画[[🎞️『キムズビデオ』]]もニューヨークの移り変わりを追える映画だった。
そうした映画的記憶を振り返ると、ぽっかり抜け落ちているニューヨーク像がある。それが90年代だ。
80年代の混沌とした街並みから、洗練された世界都市へと変貌していく過渡期。そして[[アメリカ同時多発テロ事件]]以前の、あの時代の空気。
[[🎞️『コート・スティーリング』]]はそんな空白を満たしてくれた上に、クライムアクションとしてもべらぼうに面白いという、私にとって大変嬉しい一作だった。
### 主人公への苛烈な追い込み
監督は[[👤ダーレン・アロノフスキー]]。
全作観ているわけではないが、この手の娯楽性の強いクライムアクションを撮る印象はなかった。しかし、観てみるとなるほど確かにその色は見て取れる。
とにかく主人公の**ハンク**([[👤オースティン・バトラー]])をどん底まで追い詰める。たとえその後に逆転が待っていようとも、「爽快」「痛快」とは決して口にできないくらいにボコボコにされるのだ。
そして過去のトラウマ。ある挫折と停滞を内に抱えたキャラクターが、その経験も含めて今、ここにある生命の危機を潜り抜ける。特にクライマックスのある展開は過去と現在、その両方にとどめを刺すためにアクセルを全開にして走り抜けるもので、この地獄に一縷の望みを垣間見ることができた。
1998年、過渡期のニューヨークという舞台設定も効いている。
陰鬱な過去と、それでも止まらない再開発が同居する街。その治安の悪さが次々と映画的状況を生み出していく源泉になっている点も見逃せない。
観光映画としても成立してしまうクライムアクションの傑作として、本作を強く推したい。
## 情報
![[🎞️『コート・スティーリング』#予告編]]
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