# 2026-02-11 [[🎞️『マーズ・エクスプレス』]]を観る
## 感想
劇場で鑑賞。

>[!info]
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### いざ火星へ
フランス発のハードSFアニメーション映画。
火星という舞台とロボットを主軸に置きつつ、ストーリーの根幹は探偵物語であり、個人的には[[🎞️『ブレードランナー』]]を一番想起した。主人公の**アリーヌ**([[👤レア・ドリュッケール]])は女性だが、ハードボイルな空気も纏う。
話によると影響元として[[👤大友克洋]]や[[👤押井守]]といった80年代から90年代のSFジャパニメーションが挙げられるが、この辺りは疎いためその匂いを楽しむことはできず。
とはいえ火星への移住が成立した西暦2200年の生活感を視覚的に理解させる諸々のデザインや、多種多彩なロボットのデザイン、ロボットから一周回って人工有機体に移行しつつあるという世界観が目に楽しい。
人型ロボットにもバリエーションも多い。人間らしいロボットもいれば、歓楽街で客引きをする奇っ怪なセクサロイド、はたまた人型から逸脱したスタイリッシュなデザインの者も。
アリーヌの相棒**カルロス**([[👤ダニエル・ンジョ・ロベ]])は安価版なのか顔の部分はホログラムで投射されており浮いているように見える。しかも彼は元は人間で死後ロボットに人格を移植されたという境遇もあり不憫さが際立つ。しかもスペック不足でアップデートも失敗し、ちょくちょく顔面がエラーメッセージに置き換えられるというブラックユーモアも効いている。
他にお気に入りのディテールは車――というか、自動車事故だ。
運転はもちろんオートパイロット。自動車が事故ると瞬時に霧のように噴射され、固まることで乗員を衝撃から保護する緩衝材ができる。緩衝材の中では身動きができないため、すぐさま事故対応ロボットが駆けつけて緩衝材を溶かすシャワーで救出する。
こうした未来予想のディテールも楽しいが、これが劇中のサスペンスとしても活かされている。刺客に狙われて車を爆撃された主人公は緩衝材に閉じ込められる。周囲には刺客がいることが分かっているのに、救出ロボットが彼女を保護する緩衝材を溶かそうとしてしまうという。このピンチの解決が本作の大きなターニングポイントになっている。
### ロボットの人権
本作の物語を通して語られる問題提起は、言ってしまえば手垢のついたものだ。
[[👤アイザック・アシモフ|アシモフ]]の[[ロボット三原則]]に忠実な運用がされたロボットたちだったが、その権利が軽んじられていたところに新たなテクノロジーも登場し、ついには反乱するに至るのか――そんな大枠だ。
人が造りし存在であり、故に必然的に人間よりも「軽い」存在としての扱われるロボット。しかしその利便性から人々の仕事を奪い、大衆の貧困を生み出すロボット。
その反乱は、生成AIのブームが続く2020年代中盤の今こそ再度語られる必然性があった。
## 情報
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