# 2026-02-14 [[🎞️『時のおと』]]を観る
## 感想
[[📍ポレポレ東中野]]で鑑賞。上映後舞台挨拶付き。

>[!info]
> ![[🎞️『時のおと』#概要]]
### 北陸新幹線延伸記念映画
[[👤柳下毅一郎]]さんがいうところの地方映画にカウントしていいだろう。
映画がはじまる前に福井PR映像が挟まる[[🎞️『おしょりん』]]のような露骨なものもあったが、北陸新幹線の延伸に伴い福井県がPR目的で制作された映画はいくつかある。
本作はコンセプチュアルなアート寄りの一作で、4つの短編からなるオムニバスだがそれぞれのエピソードに物語的な繋がりはなく、「街の音を撮る」という抽象的な試みにトライしている。
### 4つのエピソード
方言を捉える、という観点では一本目の福井市編に面白いポイントがあった。高校の演劇部を舞台としたこの短編では、演劇においては標準語で演じ、合間の相談はコテコテの福井弁で対話がなされる。このスイッチが面白い。
そこから続く小浜市編では京都に近い地域ということもあって方言のイントネーションも異なる。舞台挨拶ではこの小浜市編が最初に撮影されたというが、監督自身本作の方向性に苦慮する中で、その後のエピソードの撮り方にも影響することから大変だったと語られていた。
このエピソードでは主人公の女性([[👤窪瀬環]])が三味線を習い少しずつ上達していくというだけ、といえばだけのお話だ。この上達という変化(それを「成長」と言ってもよい)が時間の経過を感じさせる。
漆塗りの仕事をする父、小学校の登り棒に挑む少年、それぞれの人の営みと変化を捉えようという企画なのだということがこのエピソードから見えてくる。
南越前町編もまたドラマ性が極めて希薄な漁師のエピソードだ。
家族と仕事、そして継承を描いたこのエピソードは、劇中で流れる時間は同じくらいの短い期間であるにもかかわらず、先の二編よりも大きな時間の流れを感じさせる。
そして前々から気になっていた本作がカメラで捉える「風」が気になり始めた。街の音、というが人為的な意図が介入しない音のほとんどは風に起因する。風という地球規模の現象が、その街に特有の音を奏でるのではないかという感慨があった。
そして最後の勝山市編では長崎から移住してきた男性([[👤柳谷一成]])を主人公に、地元のコミュニティに少しずつ馴染んでいくというお話だ。
このエピソードでは男女の恋愛関係も描かれ、過去の告白をめぐる葛藤などもあって四編でもっともドラマ性が強い。
そしてやはり風だ。雪降る季節を捉えたこの編では粉雪が、左義長の炎が、祭の飾りの短冊が、風を可視化する。そして季節は冬から春へ、そして桜が舞って……となって風映画として完成した感があった。
## 情報
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