# 2026-02-28 [[🎞️『ブゴニア』]]を観る ## 感想 劇場で鑑賞。 ![Xユーザーのこーしんりょー@SpiSignalさん: 「『ブゴニア』観た。撮影これまでの作品と比較しておとなしめな印象だがやっぱりランティモス映画。一度動き始めた運動はたとえ不合理であってもなかなか止まらないし止められない、仮に神のごとき力学が働いて止められたとしても慣性力は残る。地球を守れ!」 / X](https://x.com/KO_SHIN_RYO/status/2027602580818563361) >[!info] > ![[🎞️『ブゴニア』#概要]] ### ランティモス映画らしさ [[👤ヨルゴス・ランティモス]]の新作だ。 プロデューサーには[[👤アリ・アスター]]が名を連ね、彼の最新作[[🎞️『エディントンへようこそ』]]同様に現代の陰謀論を梃子にして物語を回す作品である。 そしてリメイク映画でもある。リメイク元は2003年の韓国映画[[🎞️『地球を守れ!』]]とのことだが観たことはない。どうも知る人ぞ知るカルト映画とのことで、[[🎞️『ブゴニア』]]の文脈から私も初めて知った。 こうした様々な濃い文脈が交差しているにもかかわらず、やはり濃厚な[[👤ヨルゴス・ランティモス]]映画だ。 シニカルで、支配関係と人間の愚かしさを愛憎たっぷりに描く作風。そしてキャスティングの重複などの要素から[[👤ヨルゴス・ランティモス]]の前作[[🎞️『憐れみの3章』]]の、それこそ続きの第4章という印象だ。 大手製薬会社の女性CEOを宇宙人だと見抜いた(?)陰謀論者が拉致をする。この設定からして滑稽さを漂わせるユーモア感覚からしてランティモスの味を感じさせる。 [[👤ヨルゴス・ランティモス]]の映画はそれなりに観てきたが、本作で個人的にもっともランティモス味を感じたのは後半、陰謀論者の**テディ**([[👤ジェシー・プレモンス]])が自宅と「ある場所」とを自転車で必死に往復する場面。 あの「行ったり来たり」と振り回される感じだ。[[🎞️『哀れなるものたち』]]以前なら特徴的な魚眼レンズ撮影で往復感を演出していたところだが、今回は距離があるため正面から捉えたショットだ。行き来の過程で行われる出来事のバカバカしさとショッキングさで不謹慎ながら笑ってしまった。 ### 慣性力 一度走り始めた運命はなかなか止められない。たとえそれがどれだけ不合理であったとしても。 陰謀論に走った人を外部からなんとか静止しようとしてもそれを完全に止めることはなかなかできないということを、特に[[コロナ禍]]以降はさまざまな場面で目にしてきた。 テディと**ドン**([[👤エイダン・デルビス]])の陰謀論コンビにさまざまなアプローチを仕掛けながら説得を試みる**ミシェル**([[👤エマ・ストーン]])だがまるで手応えがない。常識はずれの狂信に対してどれだけ常識を説こうとも暖簾に腕押しだ。 そんな、静止してもすぐには止まらない慣性力のようなものを皮肉に視覚化したものが、本作のラストシーンである。 あの悲しい風景の中で、静止しきれず動き続けてしまうモノたちに目を奪われたのであった。 ## 情報 ![[🎞️『ブゴニア』#予告編]] ![[🎞️『ブゴニア』#主要スタッフ]] ![[🎞️『ブゴニア』#関連リンク]]