# 2026-06-05 [[🎞️『名無し』]]を観る
![[レーティング#^r-15]]
![[ネタバレ#^warning]]
## 感想
劇場で鑑賞。

>[!info]
> ![[🎞️『名無し』#概要]]
### 繋げない右手
右手に触ったものが透明になる。そんな特異体質を持った男([[👤佐藤二朗]])が、冒頭からファミレスで複数人を右手に持つ不可視の包丁で刺殺する。
私の心の中の中学生が「[[🎮️『Fate/stay night』|風王結界(インビジブル・エア)]]だ!」とテンションを上げたくなるところだが目の前に繰り広げられているのは紛うことなく連続通り魔殺人だ。はしゃいでなんていられるわけもない。
本作は昨年[[🎞️『爆弾』]]でもその怪演で映画を引っ張りヒットに導いた俳優の[[👤佐藤二朗]]による原案・脚本・主演というなかなか異色の作品だ。
オリジナルの映画作品の製作は難しい中、まずは佐藤のアイデアを原作に漫画化(漫画:[[👤永田諒]])し、それを映画化するという道程でこの映画が実現したという。
主人公は殺人鬼だ。観客の嫌悪を一身に受けるその人物を自ら演じて泥まで被る。そこまでして実現したかったアイデアが、他人の手を繋ぐことができない男の物語だ。
映画は佐藤演じる男が現代で次々と通り魔をしていく現代パートと、そんな彼の幼少期から現代に至るまでの過去パートとを交互しながら進んでいく。
あの男の正体は何なのか。どうして人を殺すのか。それらの情報が少しずつ明かされていくのと並行して死体が積み上がっていく。
捨て子だった彼を保護した警察官([[👤丸山隆平]])とのエピソードから、本作のテーマは明らかだ。
社会には様々な問題を抱えた人を支える仕組みを備えているが、そこからも漏れ落ちた人はどうなるのか。触ったものが透明になる右手は、誰とも手を繋げないその右手は、社会との繋がることが根本的にできない人のメタファーだ。
そんな構造の分かりやす過ぎる点に少し鼻白むところもあるが、そこは[[👤城定秀夫]]監督なので真正面から本作ならではのバイオレンスを画にしており見どころは多い。
個人的には過去パートに出てくる警察官の息子役の[[👤嶋田鉄太]]の何とも言えぬひょうきん演技が[[🎞️『ふつうの子ども』]]に続き良かった。彼が大人になってああなるのも、なんとなく分かる。
## 情報
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