# 2026-06-11 [[🎞️『マテリアリスト 結婚の条件』]]を観る
## 感想
劇場で鑑賞。

>[!info]
> ![[🎞️『マテリアリスト 結婚の条件』#概要]]
### 婚活市場
とっくの昔に恋愛市場で落ちこぼれたので婚活市場でも箸にも棒にもかからない今日このごろである。そもそも婚活していないけれども。
本作は結婚相談所に務める**ルーシー**([[👤ダコタ・ジョンソン]])を主人公に、「結婚のプロ」が改めて自らの恋愛に向き合う物語だ。
彼女の仕事ぶりを見るに、男女の理想や条件をマッチングさせるための基本は数値の比較であると分かる。
年齢、年収、体系、ルックス……数字は嘘をつかない。この言葉の直後にくるのは決まって「しかし、数字を扱う人間は嘘をつく」なのだが、ひとまず最初の一歩は互いに希望に沿うパラメータを有することであることは間違いない。
こうしてマッチングされた男女だが、最終的に結婚という「契約」に至る道は険しい。
ルーシーは所属する相談所の中でもトップクラスの仲人だが、それでもキャリアの中で成婚まで至った件数は9件。結婚にまるで疎い私ははじめ「少ないな」と感じたが、映画内の描写によればこれはニューヨークという特殊な人口過密地域という条件を加味したとしても素晴らしいスコアのようだ。
まあでも、9件目の成婚もマッチングしてから20ヶ月目というのだから、それくらいの時間がかかるのであれば確かに1件だけでも凄いことのように感じる。
世の中の人々は映画のように――例えば同じくニューヨークを舞台にした[[🎞️『ANORA アノーラ』]]のように――数週間で結婚に至るものではないのである。
そんな結婚を知り尽くした彼女だが、資産家の男との出会いと、貧乏な元カレとの再会を通じて自らの恋愛と結婚について揺れ動くことになる。
思えば本作監督の[[👤セリーヌ・ソン]]の前作[[🎞️『パスト ライブス/再会』]]も幼馴染との再会によって現在の夫との間で揺れ動く女性を描いていた。
「現実」と「理想」を比較対象にすると、途端にこじれてくる。
「現実」のパラメータはほとんど固定されていて、ちょっとやそっとじゃ変わらない。しかし「理想」は青天井で高いパラメータを要求してしまう。
そんな、パラメータから解放されて「恋愛」できれば話は早いのだが……。
しかし、「運命の出会い」による「恋愛」のすえの「結婚」なんてものはフィクションの中だけだ。
運命という自動的な、あるいは神的な力によって結婚できる人はまさしく稀であり、だから結婚は「活動」となり、そこに結婚相談所というビジネスが成り立つわけだ。
うーん、なんだか虚しくなってきてしまった。
そんな虚しさの中、本作でルーシーが採った決断は、少しだけ空虚になった心に希望を吹き込んでくれる。
[[🎞️『パスト ライブス/再会』]]と比較すると少し毒っ気が増したけれど、だけど少しだけ「大人」であり続けることの辛さに癒しを与えてくれる、よりエンタメ性の増したロマンス映画に思えた。
## 情報
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