# 2026-09-05 [[🎞️『ヒンド・ラジャブの声』]]を観る ## 感想 劇場で鑑賞。 >[!info] > ![[🎞️『ヒンド・ラジャブの声』#概要]] ### その声を届けるための映画 非常にストレスがかかる映画である。 事件の現場を映さず、現場からの緊急電話のオペレーターの目線で映画を構成することで観客に現場を想像させる。例えば[[🎞️『THE GUILTY/ギルティ』(2018年)]]に近い作劇である。 しかし本作はサスペンスを演出するためにこのような構成を採っているのではない。劇中で使われる通話音声には、実際の事件で録音されたものが用いられている。その録音された声を観客に届けるための映画なのだ。 ガザの戦闘地帯に取り残された5歳の少女**ヒンド・ラジャブ**さんの通話記録はそれ単体では逃げ出したくなるほどに悲痛なものだった。そして、そんな声を直接受けとめながら、彼女がその後どうなるかを知らないまま対応していた現場のオペレーターたちのことを思うと、心臓がキリキリした。 ### 調整 ヒンド・ラジャブさんが電話をかけている地点から車で8分の場所に救急車はある。 **パレスチナ赤新月社**のボランティアチームの内部ではそのことをめぐって葛藤と対立が起きる。すぐに助けに行ける場所に救急隊員がいるのに、イスラエル軍との間で攻撃を受けないことが確認された安全なルートを確保しなければならないからだ。 少女の悲痛な声を直接受けとめ、彼女を慰め続けるオペレーターたちは、すぐにでも救急隊員を送りこめと上層部に詰め寄る。しかし救急隊員を失うわけにはいかないという判断もある。だから「調整」という段階が必要になる。 ところがこの調整が簡単でないことは容易に想像がつく。パレスチナ側の人道支援組織から、一体どのようなルートを用いればイスラエル軍の現場の兵士たちに攻撃を止めさせられるというのか。案の定、この調整は難航し……。 だから、非常にストレスがかかる映画である。それでも、今年、誰もが観るべき重要な一作であると断言したい。 私はイスラエルによるガザへの攻撃に強く反対する。これ以上、このような声が生まれてはならない。 ## 情報 ![[🎞️『ヒンド・ラジャブの声』#予告編]] ![[🎞️『ヒンド・ラジャブの声』#主要スタッフ]] ![[🎞️『ヒンド・ラジャブの声』#関連リンク]]