# 2026-09-17 [[🎞️『5秒で完全犯罪を生成する方法』]]を観る ## 感想 劇場で鑑賞。 ![Xユーザーのこーしんりょー@SpiSignalさん: 「『5秒で完全犯罪を生成する方法』観た。旬のネタでささっと映画を一本作るのは正しく興行的ではあるが、生成AIは次の日には状況が変わりうる水物だけに勇気ある企画だと思った。生成AIというチートが万人の手に与えられた世界のミステリーとしてアイデアは光るところもあるがいまいちノレず。」 / X](https://x.com/KO_SHIN_RYO/status/2100583369088356723) >[!info] > ![[🎞️『5秒で完全犯罪を生成する方法』#概要]] ### 次の瞬間には古びてしまいかねない題材 [[ChatGPT]]が公式リリースされ、万人の手にその<ruby>叡智<rt>チート</rt></ruby>が与えられたのは2022年11月30日のこと。 わずか二ヶ月で利用者が1億人を突破した化物サービスで、以降「生成AI」がテクノロジー分野においてもっともホットな対象となり、複数の競合サービスを生み出しながら、いまも私たちの生活をアップデートしている。 2020年代中盤の現在、良くも悪くも我々が関心を持つトピックのひとつに生成AIがあることを否定する者はいまい。だったらそれを題材とした作品を制作して一儲けをしようというのは、劇映画ビジネスとして正しい判断だ。 しかし、生成AIは現在進行形であまりにも激しい更新を繰り返している水物であり、映画制作という年単位の企画で手を出すのはリスキーでもある。なぜなら次の日にはそこで描かれるものが古びてしまい、一瞬で「ダサい」ものになってしまいかねないからだ。 そのことをどれだけ意識した企画かは分からないが、少なくとも「勇気がある」とは評価できるだろう。 具体的には「あなたは新進気鋭の推理作家です」みたいなロールをプロンプトで与える手法などは、現在でも有効な場面はあるが、それでもかなり古臭く感じた。 また生成AIの認知度も2024年あたりのレベルを想定しているように感じた。まだ、ライターが生成AIの紹介をネタにして食っていけるレベルだ。 この辺りはエンジニア職の人間としては白ける部分である。 一方で生成AIの周辺に起こる人間の振る舞いについては劇映画として面白く取り入れられている部分もある。 生成AIに、ある人物を模した振る舞いを要求し、その出力に依存するキャラクターなどは[[ChatGPT]]と結婚式を上げた例などから見てもリアリティがあり、それを表現する演出も突飛で面白い。 また生成AIという「知性」の後ろ盾があるからこそ個人では思いつかない思い切った行動を採ることができる、という構造を利用することで「普通の人」が完全犯罪を企てるというドラマに納得感を持たせていた。 ### 人間は愚か 本作を最後まで観て思うことは「人間は愚か」ということだ。映画を観ていて何本かに一本はこの感想がまっさきに思い浮かぶくらい普遍的なテーマである。 生成AIというチートを手にしてもそれはしょせんチートであって、人間そのものをなにか崇高なものへと変えることはない。その知恵を犯罪に使い、あるいは承認欲求を満たすために使う。 だから本作の登場人物もだいたいは後ろ暗いところがある、利己的な人物だ。そんな中で主役である兄妹が支え合う姿は感動的であった――と、ここでは言っておこう。 ## 情報 ![[🎞️『5秒で完全犯罪を生成する方法』#予告編]] ![[🎞️『5秒で完全犯罪を生成する方法』#主要スタッフ]] ![[🎞️『5秒で完全犯罪を生成する方法』#関連リンク]]