# 2026-09-22 [[🎞️『ルックバック』(2026年)]]を観る ![[ネタバレ#^danger]] ## 感想 劇場で鑑賞。 ![Xユーザーのこーしんりょー@SpiSignalさん: 「『ルックバック』観た。原作未読。世界は美しく、人生には意味がある。現実がどれだけ理不尽でも、そう信じるためにアートや創作はあって、大切な人を救うことのできなかった藤野がそれでもヒーローたらんとする、地味で退屈な背中だ。だから本作はヒーロー映画だと思う。」 / X](https://x.com/KO_SHIN_RYO/status/2102282684815016156) >[!info] > ![[🎞️『ルックバック』(2026年)#概要]] ### やっとこさ触れる 実は[[👤藤本タツキ]]関連の作品に一切触れずにここまで生きてきた。今回も[[👤是枝裕和]]監督でなかったら、もうしばらく触れることはなかっただろう。 ということで原作漫画もアニメーション劇場版も通らずに今回の実写版を観たのだが、確かにこれは当時の熱量が高かったのも納得。 なぜ、人生の限られた時間の大部分を使って机に向かい創るのか。そこに、ひとつの創作論としてぐっと来るものがあった。 [[👤是枝裕和]]監督作としては、今年公開された[[🎞️『箱の中の羊』]]では特殊な設定ゆえに堪能しきれなかった子役演技を本作では楽しめた。 小学生時代の**藤野**([[👤七瀬ふうり]]/[[👤出口夏希]])の、自分は他者とは違う「何者」かであるという空気をまとうべく、口調や立ち振舞いでキャラ作りをしているところが痛々しくも微笑ましい。「何者かを演じる子供」を演じるという、なかなか高度なことをしているのだ。 大人パートへの移行もスムーズで、具体的にどのタイミングで役者が切り替わったのかも分からなかった。 ### ヒーロー 前半の子供時代編のきらめきがあるからこそ、後半の喪失の苦みが深まる。 『シャークキック』というヒーロー漫画を創る藤野は、しかし大切な相棒だった**京本**([[👤岡田六花]]/[[👤蒔田彩珠]])の命を救うことが出来なかった。それどころかその別れは最悪で、かつて自分が言われた「いやなこと」を自らの口で反復してその相棒をなじってしまう。 深い絶望と後悔に落ちる藤野はまるで[[🎞️『ラ・ラ・ランド』]]のように、あり得たかもしれないイフの世界へとダイブする。 漫画のように想像/創造されるそのイフの世界では、彼女がヒーローとなって京本を救う。事件によって毀損されてしまった世界の美しさや、人生の意味を取り戻そうとする。しかし、イフはイフだ。この世界の美しさや意味が実際に回復されることはない。 だから藤野はふたたび机に向かう。想像力によって創造される具体的な創作物によって、この世界は美しく、人生には意味があるということを示すために。 そしてこの仕事とはまさしくヒーローの仕事なのだ。だから私にとってこの物語をヒーロー映画として受け取った。 ## 情報 ![[🎞️『ルックバック』(2026年)#予告編]] ![[🎞️『ルックバック』(2026年)#主要スタッフ]] ![[🎞️『ルックバック』(2026年)#関連リンク]]