# 2026-10-27 [[🎞️『バッド・ルーテナント:トウキョウ』]]を観る
![[ネタバレ#^warning]]
## 感想
劇場で鑑賞。
>[!info]
> ![[🎞️『バッド・ルーテナント:トウキョウ』#概要]]
### [[👤三池崇史]]新作
来た仕事を断らないことで有名な[[👤三池崇史]]の新作。今回は彼が得意とするバイオレンス映画らしいので楽しみにしていた。
座組としては[[🎞️『十三人の刺客』]]以来となる脚本・[[👤天願大介]]のタッグで、三池作品にありがちな突飛すぎる展開をある程度抑えた、バランスの良い作品になるのではないかという期待もあった。
結果としては、確かに[[👤三池崇史]]監督作品としては抑制の効いた脚本で、それでいて全体的な画のこってり感が彼の作品であることを強く主張するが、ややパンチが足りない作品に落ち着いた印象である。
### 濃厚東京ノワール
主人公は悪徳警官の**矢吹**([[👤小栗旬]])と、訳ありFBI捜査官の**グエン**([[👤リリー・ジェームズ]])。
裏社会に精通し、ヤク中で借金を抱えた矢吹はなんとか一発逆転を狙っている。そんな彼に一方的なパートナーになって欲しいと接近するグエンは、東京で失踪したある政治家の娘の行方を追っているという。そんな二人のマウントの取り合いの背後で連続猟奇殺人が発生する。
バイオレンス映画であることは間違いないが、レーティングはPG12。
主に警官である矢吹視点による話運びのため「暴力の瞬間」はあまり描かれない。その代わりに、残された死体や事件現場といった「暴力の後に残された空間」を、強い死臭を漂わせながら描いている。
ひとつはヤクザを狙った事件。顔と指紋をひどく抉られたうえに、首を180度折られた状態で発見される。
もうひとつは元組員による復讐であり、殺害した被害者の身体を細かく切り刻み、屋外に肉団子として晒すというものだ。肉団子を啄もうと、その周囲を大量に飛んでいるカラスの画は東京という土地柄を反映しているのだろう[^1]。
こうしたバイオレンス描写やネオン街の色彩をこってりと載せた画作り、退廃さや汚さを強調したキャラクター造形などは確かに[[👤三池崇史]]映画の風味を醸し出す。
しかし、日米合作であっても拭いきれない日本映画らしい甘さが、どうも作品を弾けさせてくれない。
例えば復讐者である元ヤクザの**石塚**([[👤間宮祥太朗]])の顛末などは正直どっちらけである。普通ならばふたつの連続殺人事件を交差させ、ヤクザ殺しの犯人との一騎打ちを期待してしまうところだが、そうはならない。どうもツボを外した脚本だ。
総じて、リアリティを採るか、オモシロを採るかで前者を採った印象である。その方針が特にラストショットに表れており、あの終わり方自体は好ましく思ったのだが、リアリティとオモシロのバランス取りの難しさを改めて感じた作品であった。
## 情報
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[^1]: 東京都のカラスの生息数は2001年をピークに対策が進み、現在は8割も減っている。
[都内のカラス、2割程度に ごみ対策徹底が奏功、エサ減って繁殖率下がる](https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/900193404.html)